1995 Fiscal Year Annual Research Report
人工ホストによる分子認識を原理とするクレアチニン選択性電極の開発
Project/Area Number |
07740572
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
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Keywords | イオン選択性電極 / ポテンシオメトリー / 分子認識 / クレアチニン / ヌクレオチド / GMP / リン酸イオン / 硫酸イオン |
Research Abstract |
クレアチニンイオンを三本の水素結合で認識するシトシンのアルコキシ誘導体を用いた液膜型イオン選択性電極は(ISE)は,プロトンによる大きな妨害を受ける。プロトン妨害を抑制するために試料溶液のpHを上げると,プロトン化したクレアチニンの濃度も下がるため,その検出は不可能であった。そこで,三つの水素結合アクセプターと二つの水素結合ドナー部位を持ち,なおかつ容易にプロトン化する官能基を持たない新しいイオノフォアを合成し,現在そのキャラクタリゼーションを行っている。 ヌクレオチドを多点水素結合で認識するシトシン及びチミンの脂溶性誘導体を用いたISE を開発した。これらは,目的イオンの中性部位のみを認識するニュートラルイオノフォアを用いた初めてのISEである。シトシン誘導体に基づくISEでは,GMPに対して選択的な電位応答が得られたが,液膜のNMRスペクトルから,イオノフォアの溶媒和と自己会合によって選択性が減少している可能性が示唆された。これらを防ぐ目的で,GMPと五本の水素結合を形成するチャージド及びニュートラルイオノフォアを合成し,現在これらに基づくISEの評価を行っている。 我々はすでに,二つチオ尿素部位を物イオノフォアが,リン酸イオンと強く錯形成することを報告している。さらに,堅い構造を持ったキサンテンを酸性度の高いチオ尿素部位で修飾することによって,リン酸イオンに対する錯形成能がこれまで報告された中で最も高いニュートラルイオノフォアを得ることができた。これらをISEに用いたところ,極めて親水性の高いリン酸イオンに対しては十分な選択性が得られず,今後最適化すべき点が幾つか見出された。しかし,現時点においてもすでに,リン酸イオンと似た構造を持ち,やや親水性の低い硫酸イオンに対しては,十分に強い電位応答が得られており,その選択性はこれまでに報告されたものと比べて著しく高い。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Seiichi Nishizawa: "Anion Recognition by Urca and Thiourea Groups: Remarkably Simple Neutral Receptors for Dihydrogenphosphate." Tetrahedron Letters. 36. 6483-6486 (1995)
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[Publications] Philippe Buhlmann: "Studies on the Phase Boundaries and the Significance of Ionic Sites of Liquid Membrane Ion-Selective Electrodes." Electroanalysis. 7. 811-816 (1995)
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[Publications] Philippe Buhlmann: "EMF Response of Neutral Carrier Based Ion-Selective Field Effect Transistors with Membranes Free of Ionic Sites." Electrochim. Acta. 40. 3021-3027 (1995)
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[Publications] Madoka Nannba: "Molecular Resolution Images of a Calix[6]arene from Atomic Force Microscopy." Langmuir. 11. 635-638 (1995)