1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07740620
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
井沢 毅 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (10263443)
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Keywords | イネ / 日長感受性 / トランスポゾン・タッギング / Ac / Ds / 分子生物学 / 形質転換植物 / Se-1 |
Research Abstract |
イネは代表的な短日植物であり、日長感受性をはじめ、開花に影響を与えるさまざまな遺伝子座(Se-1,E1,Ef-1等)が多数同定されているが、いまだ遺伝子単離には到っていない。そこで、我々は、トランスポゾンタギング法によるイネ開花時期決定遺伝子の単離を目標に研究を行っている。現在までに、Dsと35S-AcTPase(CaMV35SプロモーターにAcTPaseのcDNAを結合した遺伝子)導入形質転換イネを交配して得られた個体(F1)の自殖後代(F2)を用い、開花時期が早くなる個体を選抜し、その後代を用いた解析を行っている。選抜した突然変異系統のF5世代を用い、短日条件下(10L 14D)ならびに長日条件下(14L 10D)における開花時期を調べたところ、C-2-3-241系統では、短日条件下で平均6日、長日条件下で12日早く開花するとの結果を得た。このことから、C-2-3系統の変異した遺伝子は本来、恒性的に開花を抑制する機能を持つ遺伝子と推定される。サザン解析によるC-2-3-241はDsを1コピーのみゲノム内に持つ(Ds241)ことから、このDsの挿入により突然変異が誘発された可能性がある。そこで、IPCR法によりDs241近傍のゲノムDNA断片を単離し、そのDNA配列を決定した。この配列をもとにプライマーを作製し、C-2-3由来の241を含むF4世代5個体に関して、PCR法によるDsの有無を確認することで、表現型とDsの連鎖を確認できた。次に、イントロン・エクソン領域を予測し、その結果をもとにプライマーを作製、RT-PCRを行ったところ、少なくとも、Ds241近傍に転写されている領域が存在することを確認した。現在、Ds241の挿入が開花時期に影響を与える突然変異の原因であるかどうか知るために、F2解析ならびに復帰突然変異体の同定を試みている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takeshi Izawa and Ko Shimamoto: "Becoming a model plant:the importarce of vice to plant science" Trevds in Plant Science. 1. 95-99 (1996)
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[Publications] 井沢毅・島本功: "形質転換植物を用いたトランスポゾン・タッギング" 蛋白質 核酸 酵素. (発表予定).