1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07750056
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北川 勝浩 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (20252629)
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Keywords | 光子数 / 不確定性 / 量子雑音 / サブポアソン光 / 微弱光 / 熱雑音 / ショット雑音 / 広帯域 |
Research Abstract |
従来熱雑音に埋もれていた微弱なサブポアソン光を検出することを目的とし、以下の通り研究を行なった。 ・フォトダイオード用低雑音ポストアンプ:フロントエンドにGaAs HEMTを用いた5MHz〜2GHzで雑音指数が1.5dB以下利得50dBのポストアンプを用いた。 ・高インピーダンス化と光-マイクロ波フロントエンドの試作:測定すべき光の量子雑音レベルに対して熱雑音レベルを相対的に低く抑えるために、フォトダイオードの負荷インピーダンスの高インピーダンス化を行なった。高周波で広帯域に渡って高インピーダンスを維持し、かつ、ポストアンプとのインピーダンス整合を保つために、伝送線路トランスを用いてフォトダイオードとポストアンプを結合した。これによって、50MHz〜1.5GHzの範囲でほぼ200Ωの負荷インピーダンスを実現し、相対的な熱雑音レベルを6dB下げることが可能となった。 ・バランスドホモダイン:作成した光-マイクロ波フロントエンドを2つ用いて、バランスドホモダイン検波器を作成し、ショット雑音レベルの校正を行なった。 ・2位相バランスドホモダイン:光子数と位相の間で量子不確定性を取り引きした光子数スクイズド状態の光子数揺らぎと位相揺らぎを観測するために、2つの直交位相成分を同時に測定する系を作成した。上記バランスドホモダイン系を2つ用いて、それぞれに90度位相のずれた局部発振光を供給して、sin,cos成分を測定し、位相と周波数の揺らぎが測定できることを確認した。 サブポアソン光の発生が間に合わなかったために、実際にサブショット雑音レベルの揺らぎを観測するには至らなかったが、本研究によって光検出系の低雑音化の可能性を示すことができた。
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Research Products
(1 results)