1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07750146
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
垣内 弘章 大阪大学, 工学部, 助手 (10233660)
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Keywords | 高圧力プラズマ / プラズマ計測 |
Research Abstract |
1.プラズマを利用したCVDプロセスやエッチングプロセスにおいて、通常反応ガスは不活性ガスで希釈して用いる。高圧力プラズマプロセスにおいても同様で、高圧力プラズマ中での反応ガス分子の分解過程および反応過程を知るためには、まず不活性ガスのみによるプラズマの性質を正確に把握していなければならない。そこで本研究では、まず既存の大気圧プラズマCVD装置を使用し、発光分光法により不活性ガス(ヘリウム、アルゴン等)の高圧力プラズマ中における種々の中性ラジカルの計測を行った。その結果、一般的な低圧プラズマと異なり、大気圧プラズマ中では、存在する中性ラジカルの種類がある程度限定されることがわかった。また、アルゴンプラズマはヘリウムプラズマに比べて安定に維持することが困難であった。 高圧力プラズマのガス温度およびプラズマ中の中性ラジカルの電子状態は、プラズマへの投入電力,プラズマの圧力,電源周波数,インピーダンスマッチング回路,電極の形状および材質等の諸条件により左右されると考えられる。高圧力プラズマを低温プロセスに応用する上では、特にプラズマのガス温度をできる限り低く抑えることが重要であるが、電極間の電界により加速されたイオンが電極表面に入射することにより発生する二次電子は、プラズマのガス温度を上昇させる最大の要因であると考えられる。そこで、プラズマの低温化に最も効果があると思われる電極表面の絶縁皮膜がある場合とない場合で、プラズマのインピーダンスの測定を行い、プラズマ中の荷電粒子の相対量の比較を行った。その結果、電極表面を絶縁することにより二次電子の発生量が減少し、プラズマのガス温度は下がることがわかった。 1および2の結果に基づき、実際に不活性ガスと反応ガスの混合ガスによる高圧力プラズマを用いた成膜実験およびエッチング実験を行った。その結果、不活性ガスとしてヘリウムを用いると、反応ガス濃度が濃くてもプラズマが安定に維持でき、成膜および加工が正常に行えるのに対し、アルゴンを用いた場合では反応ガス濃度が濃いとプラズマがアーク放電的な放電形態となり、特性に優れた膜や加工表面は得にくいことがわかった。したがって、高圧力プラズマプロセスにおいて使用する不活性ガスとしては、ヘリウムが有効であることがわかった。
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