1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07750147
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
社本 英二 神戸大学, 工学部, 助教授 (20216146)
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Keywords | 楕円振動切削加工法 / 超音波振動 / せん断角 / 切りくず厚さ / 切削力 / 摩擦力 / 潤滑効果 |
Research Abstract |
本研究では、楕円振動切削加工法と呼ぶ新しい加工方法を考案し,本手法の持つ基本的な効果を確認するとともに,その実用化を目指して超音波領域での楕円振動切削加工を試みた.本研究によって得られた成果を以下にまとめる. 1.楕円振動切削加工法による切削エネルギーの減少 走査電子顕微鏡内部で切削実験を行い切削エネルギーを測定した.その結果,楕円振動切削加工法においては,従来の切削加工法に比べて,約3分の1のエネルギーで同体積の被削材料を除去できることを確認した.これは,単に切削動力が減少するのみならず,切削熱の減少,工具磨耗の抑制などの多くの実用的利点につながるものと考えられる. 2.超音波楕円振動駆動システムの開発 楕円振動切削加工法において高速度で切削を行うため、共振周波数20kHzにおいて50m/min程度の最大振動速度を保持し,その共振周波数を自動追尾し得る超音波楕円振動駆動システムの開発を行った.本システムでは,2枚の圧電素子によって直交する2方向の振動を励起し,その振幅と位相差を変えることで任意の楕円振動軌跡を得ることができる. 3.超音波楕円振動を付加することによる効果 開発した超音波楕円振動工具を用いて無酸素銅の切削を行い,以下の効果を明らかにした. 1.せん断角の増加 普通切削では,切込み量5μmと切りくず厚さ約20μmから計算されるせん断角が15度以下であったのに対し,工具に楕円振動を与えることによって50度以上にまで増加した.すなわち楕円振動切削加工法では、従来の手法では考えられないほど優れた潤滑効果を見かけ上得ることができる. 2.切削力の減少 楕円振動を付加することで,切削力を普通切削に比べて40分の1以下,従来の振動切削に比べても一桁程度減少することができる. 4.種々の加工条件の影響 以下の主な楕円振動切削条件を変化させて切削実験を行い、種々の加工条件の影響について検討した. 1.工具振動周波数 高い程,切りくずが薄く,仕上げ面も良い。 2.切込み方向振幅/切削方向振幅 大きい程、切りくずが薄くなるが,仕上げ面あらさが大きくなる。 3.二方向振動の位相差 90から130度程度で切りくず厚さが最も小さくなるが,仕上げ面あらさについては90度程度が最も小さくて良い. 4.振動振幅/切込み量 大きい程切り屑接触長さは減少するが,平均背分力は増加する.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshimichi Moriwaki: "Ultrasonic Elliptical Vibration Cutting" Annals of the CIRP. Vol.44/1. 31-34 (1995)
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[Publications] Toshimichi Moriwaki: "Ultrasonic Vibration Cutting Applied to Ultraprecision Machining -A New Possibility for Ultraprecision Machining of Hard to Machine Materials-" 8th International Precision Engineering Seminar. 298-301 (1995)