1995 Fiscal Year Annual Research Report
知能化金型・工具を用いた高精度L曲げ加工システムの開発
Project/Area Number |
07750150
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
楊 明 東京都立大学, 工学部, 助手 (90240142)
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Keywords | 知能化工具 / リアルタイム制御 / L曲げ / 高精度 / 任意曲率半径 |
Research Abstract |
知能化工具の概念に基づいて,高精度・高柔軟性のL曲げ加工用知能化工具の設計・開発を行った.さらに,その有効性を確認するためにリアルタイム制御システムを構築し,実際に加工のプロセス制御を行った.L曲げ加工用知能化工具システムの開発とその結果は以下に示す. 1.L曲げ加工用知能化型・工具システムの設計と開発: 曲げ角度だけでなく,任意な曲率半径にも加工できるようにパンチとダイ内部にそれぞれセンサーとアクチュエータを内蔵した.加工中に常に情報をセンシングし,適切な曲率分布になるようにパンチの位置と荷重を制御するような高精度・高柔軟性の工具と制御システムを開発した.加工制御においては,試験片の材料特性と寸法に合った加工条件を予めシミュレーションによって作成し,コントローラに保存する.加工中にその加工条件を呼出し,加工情況に合わせて,プロセスのフィードフォワード制御を行う.そうすることによって,任意の材料と曲率半径にも対応できる柔軟なシステムが得られる. 2.知能化工具によるL曲げ加工プロセス制御の実験: 曲率半径を4〜10mmの数種類に設定し,材料も材質も異なる2種類のものを用意し,実際にL曲げ加工を行った.実験では,開発した知能化工具を汎用機械プレスに固定して行う.加工開始から終了まではわずか1秒である.結果から,変形部において,ほぼ均一な曲率分布が得られ,設定された曲率半径にもほぼ一致した.材質の異なるものに対しても,まったく同様な結果が得られ,本システムの高精度と高柔軟性が確認された.また,本システムの特徴として,加工速度は実加工機とほぼ同様なものであり,機械に対しても一切改造する必要がなく,ただそれに固定するだけでよい. 本研究成果は5月に開かれる塑性加工学会春期講演会で発表する予定になっている.また,今年度中に塑性と加工学会誌に論文として投稿する予定である.
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Research Products
(1 results)