1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07750166
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大岩 孝彰 静岡大学, 工学部, 助教授 (00223727)
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Keywords | 精密機構 / 位置決め機構 / 弾性ヒンジ / 最適設計 |
Research Abstract |
高精度運動機構に多く用いられている案内要素である弾性ヒンジは,摩擦の影響を受けないため位置決め精度を向上できるが,反面剛性が弱く,それを補うために切欠き部の肉厚を大きくすれば弾性変形のためのエネルギ損失が大きくなってしまうという欠点を持っていた.本研究ではこの弾性ヒンジの軸方向の剛性を保ちつつ,曲げコンプライアンスを向上させるリンク切欠き部の形状最適化設計を行った. まず弾性力学的な手法により,任意の形状を持つ梁の引張り剛性と曲げコンプライアンスを求め,それを最大化する形状を探索した.その結果,従来の円弧切欠きよりも単純な真直梁が最適であるという結果となった.ただし,この形状の梁では曲げ応力および引張り応力により,固定部の切欠き部に応力が集中しやすく,それを考慮して切欠き部に丸みを付ける必要がある. 次にこの切欠き部にかかる応力に注目し,この応力が均一となるような切欠き部形状を求めた.まず有限要素法により単純な形状を持つ切欠き部の応力を求め,これらがある設定値に近くなるように切欠き部外周節点座標を法線方向へ修正していく.この計算を外周部の応力がほぼ均一になるまで繰り返すことにより,目的とする軸方向剛性を持ち外周部の応力が均一となる切欠き部の形状を得ることが出来た.今後はさらに曲げコンプライアンスも最大となる応力均一な切欠き形状を計算する.
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