1995 Fiscal Year Annual Research Report
非凝縮性気体存在下における凝縮相への高速凝縮流の分子論的研究
Project/Area Number |
07750208
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Research Institution | College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
土井 俊行 産業技術短期大学, 機械工学科, 助手 (00227688)
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Keywords | 希薄気体力学 / ボルツマン方程式 / 混合気体 / 凝縮流 / 非凝縮性気体 |
Research Abstract |
本研究では,蒸気が凝縮相へ向かって凝縮しており,非凝縮性気体がその流れによって凝縮相付近に吹き付けられているときの流れを,希薄気体力学(剛体球分子に対する混合気体ボルツマン方程式)に基づいて調べる.凝縮相から充分離れた位置での蒸気流の圧力,温度,吹き寄せられている非凝縮性気体の含有量,および凝縮流量の間に成り立つ関係を広範囲に明らかにする.数値解析の手段として,モンテカルロ直接シミュレーション法を用いる. 平成7年度は,まず,混合気体に対するモンテカルロ直接シミュレーション法のスキームの構築を行った.これは1成分気体のときの自然な拡張として問題なく完了した.次に,そのスキームを基に作成したプログラムコードを用いて数値実験を行い,スキームの性質を様々な角度から検討した.このシミュレーション法は,本来,長大な反復計算を必要とするが,一台の計算機上での長大な反復計算を行う代わりに,複数の小規模な計算機で別々に計算しておいたものを後で統計平均する手法が使える見通しが立った.この並列計算の手法を用いて,平成7年度後半より実際の数値解析にとりかかっており,現在もデータを蓄積中である.本研究の最終目的は,膨大なパラメータの場合(およそ1500ケース)について数値解析を行って,気体の振舞の全貌を明らかにし,また上述の気体の量の間の関係の広範囲で正確な数表を作成することである.平成7年度末の段階においてはその目標の1/5程度までしか到達することができなかった.しかしながら,本年度内で設備がかなり充実されたため,次年度以降は計算のペースが速くなる見込みである.本研究は平成8年度以降も続行する.なお,現在までに得られている解析結果によると,本問題の解の構造は,研究代表者が4年前にモデル・ボルツマン方程式を用いて得た解析結果と定性的には同じであることが予想されている.
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