1995 Fiscal Year Annual Research Report
熱損失を受ける希薄乱流予混合火災の局所的消炎に関する研究
Project/Area Number |
07750243
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢作 裕司 芝浦工業大学, 工学部, 講師 (60265973)
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Keywords | 予混合火炎 / 乱流火炎 / 消炎 / 希薄燃焼 / 熱損失 / よどみ流 / 火炎伸張 / レーザー計測 |
Research Abstract |
これまで不明な点が数多く残されている熱損失を受ける希薄乱流予混合火災の局所消炎機構を明らかにすることを目的として研究を行った。時々刻々と変化する火災面の様子をレーザートモグラフィーにより可視化し、その断面像を画像処理および解析した。本助成期間では、ルイス数の異なる火災の局所消炎のスケールを定量化し、それぞれの火災について局所消炎が全体の消炎に発展する条件について検討を加えた。その結果以下の結論が得られた。 希薄メタン/空気火災の場合では、全体の消炎と局所消炎の関係は初期乱れ強さによって影響の程度が異なる。初期の乱れが小さい条件では、火災面の形状が層流火災に近いため、局所消炎の頻度は少ない。従って、初期の乱れが小さい場合では、局所消炎は全体の消炎に大きな影響を与えていないと考えられる。これに対して、初期の乱れが大きい場合では、局所消炎の頻度は多くなる。特に、よどみ点付近において局所消炎が発生し、その領域がよどみ点を中心として大きくなる場合では、全体の消炎が生じる可能性が高くなる。 希薄プロパン/空気火炎では、初期の乱れの大きさに関わらず、局所消炎する頻度が少なく、全体の消炎に与える影響も小さい。また、燃料濃度が消炎限界濃度に近づいても大きなスケールの局所消炎は観察されない。さらに、全体の消炎に大きく影響を与えると考えられるよどみ点付近での局所消炎も観察されていない。このことは、希薄プロパン/空気火炎はルイス数効果にともない、冷壁面への熱損失の影響を受ける前に火炎伸張などの影響を大きく受けて消炎するためであると考えられる。このことは、希薄メタン/空気火炎で観察された燃料濃度が消炎限界濃度に近づくと局所消炎する頻度が高くなることに対比しており、ルイス数効果による消炎機構の違いを示している。
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[Publications] Yahagi, Y., Ueda, T., and Mizomoto, M.: "Interaction of a Non-Adiabatic Wall and Local Quenching Process of Lean Turbulent Premixed Flame" 15th International Colloquium on the Dynamics of Explosions and Reactive System. 114-117 (1995)
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[Publications] 浜嶋光洋・矢作裕司・植田利久・溝本雅彦: "よどみ流中に形成される乱流混合火災に関する研究(第7報)" 第33回燃焼シンポジウム講演論文集. 517-519 (1995)