1995 Fiscal Year Annual Research Report
外乱オブザ-バを用いた空気駆動アクティブサスペンションの高機能化
Project/Area Number |
07750276
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
松下 尚史 岡山理科大学, 工学部, 助手 (20229470)
|
Keywords | アクティブサスペンション / 空気圧サーボ系 / 外乱オブザ-バ / 振動遮断特性 / 車高一定制御 / 制御器設計の簡単化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,空気圧サーボ式アクティブサスペンションを前後に配置した2輪4自由度車両モデルにおいて,振動遮断特性と姿勢変化抑制特性を両立させることである.著者らは空気圧サーボ式アクティブサスペンションの制御器を設計する場合,制御器の構成は簡単な方がよいと考え空気圧サーボ系の動特性を単なるむだ時間要素で近似し,さらに前後間の干渉やタイヤの動特性を無視しそれをモデル化誤差による外乱と見なし外乱オブザ-バで補償する方法の有効性を確認している.この課題研究では,車両の乗り心地性能を評価する時に用いられる車体の加速度を制御量に,空気圧サーボ系の動作遅れが外乱推定制度に及ぼす影響を低減するために,シリンダ室内圧力から演算により求めたサスペンション発生力を制御入力とする外乱オブザ-バを構成した.この制御系は振動遮断特性の向上には有効であるがサスペンション摺動部のクーロン摩擦力やセンサの観測雑音の影響により車高が一定しないという問題が生じた.そこで,外乱オブザ-バによる車体の振動遮断特性を低下させることなく車高を一定にするようなフィードバック制御を付加した.この方法により車体の振動遮断特性と車高一定制御を両立することができた.外乱オブザ-バはモデル化誤差を含む外乱を瞬時に推定する必要があるが,本奨励研究費で購入した計算処理時間の短いコンピュータは外乱を瞬時にかつ制度良く推定しており,研究の成果が現れたと考える.研究成果の一部は,平成8年3月8日に東広島市の近畿大学工学部で開催される日本機械学会中国四国支部第34期総会・講演会において『外乱オブザ-バを用いた空気式アクティブサスペンションの最適化』と題して発表した.
|