1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07750310
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 孝明 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (40262323)
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Keywords | 超音波モータ / 共振周波数 / トルク合成 / たて振動 / ねじり振動 / 同期駆動法 / 並列駆動 / 直列駆動 |
Research Abstract |
本研究は複数個の超音波モータを組み合わせてトルクを合成し、高トルク化することを目的としている。 トルク合成をする複合振動子型超音波モータは1セットの電力増幅器が必要であるが、複数個を同時に駆動する場合に複数セットの電力増幅器を使用しては実用的ではない。全ての超音波モータを1セットの電力増幅器で一括駆動できればより実用的である。 一方、超音波モータはそれぞれに固有の振動特性を持ち、その固有振動を駆動力に変換しているため、理想的には全く同じ固有振動数(共振周波数)をもつ超音波モータをそろえなければならない。しかし実際上は個々の超音波モータには、ばらつきがあるため、どの共振周波数で駆動すればよい特性が得られるかを知る必要がある。 更に、複数個のモータを同時駆動するには直列に接続する方法と並列に接続する方法の2種類がある。 そこで本研究では、トルク合成を行うに当たり、以下の様に研究を進めることにした。 (1)複数個の超音波モータの最適駆動周波数の決定。 (2)複数個のモータの駆動方法(直列接続か並列接続)の決定。 結果は以下の通りである。 (1)並列接続時に共振周波数がずれている場合の駆動方法としては、いくつかある共振周波数のうち、低い共振周波数で駆動した方が良い。 その理由は、駆動周波数が共振周波数より上にずれた場合、下にずれた場合よりも特性がより悪化するため、低い共振周波数で駆動した方が良いからである。直列接続時は共振は1つしか現れないため、この種の問題は生じない。 (2)直列接続の方が並列接続よりも良い特性が得られる。 その理由は、並列接続の場合はそれぞれのモータの特性のばらつきがモータ特性を平均化してしまい、有効なトルク合成にはならない。一方、直列接続の場合はモータ全てが同速度で回転し1つのモータとして動作するため、トルクが合成され、特性が向上することが明らかになった。 結論として、超音波モータのトルク合成は、電力増幅器に対して直列にモータを接続し共振周波数で駆動すれば最適特性が得られることが明らかになった。
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