1995 Fiscal Year Annual Research Report
PWMインバータの漏れ電流に起因する電磁雑音に関する基礎研究
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07750317
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小笠原 悟司 岡山大学, 工学部, 助教授 (40160733)
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Keywords | EMI / EMC / 高周波漏れ電流 / PWMインバータ / 浮遊容量 / コモンモードトランス / ノーマルモードフィルタ |
Research Abstract |
本研究の目的は、モータ浮遊容量を通して流れる漏れ電流に起因して発生する電磁雑音の定量的検討を行い、その抑制法の開発ならびにその効果の実証を行うことである。 本研究ではまず、実験システム(3.7kW誘導電動機ベクトル制御システム)のEMI測定(VDE0871Class A[3m])を電波暗室(岡山県工業技術センター)を用いて行った。その結果、以下の結論を得た。 1)モータ接地線に流れる漏れ電流は750kHzの高周波でしかも1.5A程度の比較的振幅の大きな振動電流であるため、放射性電磁雑音の大きな原因の一つである。 2)接地線の配線法(ループの面積)により、電磁雑音の放射量が大きく異なる。 3)漏れ電流の他に、モータ巻線の浮遊容量を通して相間を流れる高周波振動電流(1.5MHz,2A)もまた、電磁雑音の原因となる。 接地線に流れる高周波漏れ電流はコモンモード電流に、相間を流れる高周波振動電流はノーマルモード電流に相当する。モータ巻線の入力端とモータフレームとの間に浮遊容量に相当する3つのコンデンサを挿入した簡単な等価回路で、これら2種類の電流を実用的に十分な精度で模擬できることも実験およびシミュレーションにより明らかにした。 また、これらの高周波振動電流を抑制するために、漏れ電流に対してはコモンモードトランスを、相間の振動電流に対してはノーマルモードフィルターを開発した。これらは、問題となる振動電流にのみ選択的に損失を発生させ振動を素早く減衰させるもので、放射雑音の低減に効果があることをEMI測定により確認した。 本基礎研究で得られた成果は、パワーエレクトロニクス機器におけるEMI/EMCの理論的・系統的研究の発展に寄与するものと考える。
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