1995 Fiscal Year Annual Research Report
トレリス符号化同一チャネル干渉キャンセラの試作研究
Project/Area Number |
07750420
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村田 英一 京都大学, 工学研究科, 助手 (60252475)
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Keywords | 移動通信 / 適応信号処理 / トレリス符号化変調 / 同一チャネル干渉波 / 試作 / 干渉キャンセラ / ディジタル通信 / セルラ-方式 |
Research Abstract |
トレリス符号化を用いて干渉キャンセル特性を改善したトレリス符号化同一チャネル干渉波キャンセラ(TCC: Trelliscoded Co-channel Canceller)のDSP(Digital Signal Processor)による試作,改良を行い,室内実験系において特性を評価した.所要結果は以下の通りである. ・最初に計算機シミュレーションによってタイミング同期等について検討を行った.その結果,TCC方式は精度の高いタイミング同期が必要であることが分かった.この対策を計算機シミュレーションによって研究し,クワッドサンプリングとブランチメトリック合成によって対処可能であることが分かった. ・DSPによる室内実験の結果,受信機で発生するDCオフセットが干渉キャンセル特性に大きな影響を与えることが判った.その対策として,時間平均処理を行うDCオフセットキャンセラを信号処理に組み込んだ.この結果,DCオフセットの調整が殆ど不要となる大きな改善効果が得られた. ・TCC方式と,トレリス符号化を用いない従来方式の干渉キャンセル特性を室内実験系によって確認した.その結果,TCC方式はシミュレーション結果からの誤差約3dBでシミュレーション結果と一致した.また,従来方式と比較して極めて優れた特性が得られた.具体的には,雑音を減少させても従来方式は10^<-2>程度の誤りが生じたが,TCC方式は誤りが生じなかった. 今回の実験では,概ね満足のできる特性が得られたが,シミュレーション結果と比較すると,E_b/N_oにして約3dB特性が劣化している.この特性劣化は実験装置系の不完全性に起因すると思われる.この改善が今後の課題である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H. Murata: "Computational Complexity Reduction of Trellis-Coded Co-Channel Interference Canceller" To be published in IEICE Transactions on Communications. E79-B. (1996)
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[Publications] H. Murata: "Maximum-likelihood sequence estimation for coded modulation in the presence of co-channel interference and intersymbol interference" To be presented at IEEE Vehicular Technology Conference. (1996)
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[Publications] 村田英一: "トレリス符号化同一チャネル干渉波キャンセラのレイリーフェージング伝搬路における特性" 1995年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会. B-281. (1995)
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[Publications] 村田英一: "レイリーフェージング伝搬路におけるトレリス符号化同一チャネル干渉波キャンセラの特性" 第18回情報理論とその応用シンポジウム. D-3-3. 305-308 (1995)
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[Publications] H. Murata: "Trellis-Coded Co-Channel Interference Canceller for Cellular Radio" Proceedings of the 4th International Conference on Universal Personal Communications. 123-127 (1995)
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[Publications] 村田英一: "トレリス符号化同一チャネル干渉波キャンセラの室内実験結果" 電子情報通信学会技術研究報告. RCS95-105. 45-50 (1995)