1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07750421
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
島崎 仁司 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 講師 (20226202)
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Keywords | ミリ波 / 半導体導波路 / 光制御 / 電子正孔プラズマ / 有限差分時間領域法 / 電磁波工学 / 光波マイクロ波相互作用 |
Research Abstract |
ミリ波回路を光によって制御する方法の一つとして高抵抗半導体を導波路媒質として用い、光照射によって半導体中に電子‐正孔プラズマを誘起させて、導波路の誘電率および導電率を変化させる方法がある。本研究ではまず半導体を基板とするイメージ線路に光照射した場合のミリ波伝搬特性を有限時間差分領域法により解析した。 従来、誘起したプラズマは導波路表面全体に存在し、キャリヤ密度が均一であるとしたモデルが解析されていた。本研究ではプラズマは導波路表面の一部に誘起され、プラズマ層と誘起されない部分が波動伝搬方向に沿って不連続部をもつものとし、またキャリヤの密度が均一な分布と不均一な分布とについて解析してその結果を比較した。まず密度分布についてはプラズマ層の厚みとキャリヤ総数がある値までは均一、不均一分布のどちらのモデルによっても反射・透過量の計算結果に差異は小さいが、それ以上の値では両モデルの差は急に大きくなることがわかった。特にその差は透過量において大きい。不連続部の効果は反射波ならびに空気中への散乱波に影響が現れた。これらの結果からプラズマ層の形状・密度分布とミリ波の伝搬特性との関係についての知見が得られ、今後半導体材料の選択、光源の選択、光の照射形状などの設計に有用である。この結果は従来のような導波路の表面部にのみ一様な密度でキャリヤが存在するとしたモデルでは明らかにできなかったものである。 さらに高抵抗率シリコンを使ってイメージ線路を作製し、スリット集光形レンズを使ってレーザ光を照射することによってミリ波の透過・反射特性の測定を行った。その結果TMモードよりもTEモードの伝搬の方が光プラズマの影響が大きいことがわかった。この結果は今後、このタイプの導波路におけるモード選択とその利用に関しての示唆を与えるものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hitoshi Shimasaki: "An analysis of semiconductor waveguide with oprically induced plasma by FD-TD method" Journal of Electronic Measurement and Instrument. 9. 270-273 (1995)
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[Publications] 丹治 秀樹: "光誘起プラズマの拡散を考慮に入れた半導体イメージ線路のミリ波伝搬特性解析" 電子情報通信学会1996年総合大会講演論文集. エレクトロニクス. 146- (1996)