1995 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートを部分充填した箱形断面柱の耐荷力と変形性能に関する実験的研究
Project/Area Number |
07750566
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中西 克佳 大阪市立大学, 工学部, 助手 (70227833)
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Keywords | 合成柱 / 橋脚 / 2重鋼管断面 / 耐荷力 / 変形性能 / 兵庫県南部地震 / ハイブリッド実験 / 静的繰返し変位載荷実験 |
Research Abstract |
鋼製橋脚柱の耐震性の向上策を検討するため、鋼製柱の断面内部に鋼管、あるいは硬質塩化ビニル管を配置し、さらに外側鋼断面と内部鋼管との間に部分的に低強度のコンクリートを充填した橋脚柱模型を、比較のための鋼製橋脚柱模型とともに製作し、それらに一定の変位量を繰返し与える静的繰返し変位載荷実験、および過大な地震加速度を与えるハイブリッド実験を実施した。そして、地震力載荷前後の実験供試体の耐荷力、変形性能、および剛度について比較・検討した。なお、静的繰返し変位載荷実験では、±δmax=6.0δys(δys:鋼製柱の実験供試体の降伏変位)の最大水平変位を、実験供試体が破壊するまで繰返し与えた。また、ハイブリッド実験では、1995年1月17日に神戸海洋気象台で記録された兵庫県南部地震の南北方向の地震加速度(最大加速度818.02gal)を相似則を考慮の上、入力加速度として与えた。その主な結論を、以下にまとめる。 1.鋼製柱の断面内部に鋼管を配置し、さらに外側鋼断面と内部鋼管との間に部分的に低強度のコンクリートを充填した橋脚柱の変形性能は、鋼製橋脚柱のそれよりも、大幅に高い。 2.合成柱の内部に鋼管を配置しても、あるいは充填コンクリートの中心部分を取り払っても、耐荷力には、それほど大きな影響が出ない。 3.都市高速道路の実橋脚柱と実験供試体との相似則を考慮した上で、神戸海洋気象台で記録された兵庫県南部地震の南北方向の地震加速度を与えた場合、鋼製橋脚柱の基部は座屈損傷するが、鋼製橋脚柱の断面内部に鋼管、あるいは硬質塩化ビニル管を配置し、さらに外側鋼断面と内部鋼管との間に部分的に低強度のコンクリートを充填した橋脚柱は、座屈損傷しない。
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