1995 Fiscal Year Annual Research Report
局部載荷を受ける上部砂層と下部軟弱粘土層から成る二層地盤の圧密特性
Project/Area Number |
07750575
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡村 未対 東京工業大学, 工学部, 助手 (50251624)
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Keywords | 圧密沈下 / 円形基礎 / 模型実験 / 二層地盤 / 砂 / 粘土 |
Research Abstract |
本研究では、軟弱な正規圧密状態の下部粘土層と、比較的薄い上部粘土層から成る二層地盤の局部載荷時の沈下挙動を調べることを目的とし、遠心模型実験ならびに有限要素解析を行った。実験では、塑性指数が約30の川崎粘土を用いて下部粘土層を、豊浦砂を用いて密な上部砂層を作成し、遠心模型実験装置内で剛な円形基礎に一定の荷重を与え、その間の圧密挙動を調べた。用いた模型基礎の直径Bは実物に換算して5mであり、砂層厚Hを基礎幅Bの1、1.5、2.0倍とした3種類の地盤に対し、載荷重をそれぞれ3種類ずつ変えて実験を行った。また、有限要素法を用いて実験のシュミレートを行った。その結果以下のことが明らかとなった。粘土層表面の鉛直応力は、載荷直後には基礎直下に鉛直応力が集中するが、基礎直下の粘土の沈下速度が大きいことと砂層の剛性が大きいことにより、基礎直下では鉛直応力が時間と共に減少し、周辺領域で応力増加が生じる。この応力分散の結果、基礎の安定性は増し、沈下速度が減少するが、基礎周辺地盤の沈下は大きくなる。また、地盤内の過剰間隙水圧が消散した時点の基礎の最終沈下量は、載荷重強度と共に増加する。また最終沈下量と、載荷重強度と急速載荷条件下での極限支持力の比すなわち荷重比との関係は、砂層厚によらず一本のユニークな曲線となることがわかった。有限要素解析により、実験で観察された粘土層表面での応力の経時変化がうまくとらえることができた。
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