1995 Fiscal Year Annual Research Report
大深度掘削により発生する第三紀泥岩の力学的特性と土構造物への有効利用に関する研究
Project/Area Number |
07750580
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中野 正樹 名古屋大学, 工学部, 助手 (00252263)
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Keywords | 第三紀泥岩 / スレ-キング / 超過圧密粘土 / 吸水軟化 / 残土 |
Research Abstract |
本研究の成果は以下のように要約される。すなわち、スレ-キングを「超過圧密粘土のせん断時の吸水軟化」現象としてとらえて、砕石状になった飽和泥岩の集合体が全体として示す圧縮およびせん断挙動の試験結果の解釈に見通しを与え、泥岩砕石を盛土材料に用いる時の安全側の設計の考え方を明示したことである。 以下にその具体的な成果を列挙する。 1.下負荷面理論に基づいたカムクレイモデルによる有限変形解析を行って、飽和泥岩の吸水によるスレ-キングは、超過圧密粘土がせん断をうけて、限界状態線の上側で吸水軟化し、その結果軟らかい正規圧密粘土に戻る過程としてモデル化するのが、現象理解の上で便利であることを示した。 2.飽和(常滑)泥岩岩砕試料の水浸1次元圧縮試験を行ったところ、泥岩砕石の締め固め試料は、ゆる詰めのため全体としての間隙比が大きい時は、水浸一次元圧縮によって、泥岩を水で溶かしながらすり潰して作った正規圧密粘土の正規圧密曲線まで沈下が継続することがわかった。 3.常滑泥岩岩砕試料の3軸圧縮試験を行い、泥岩砕石の集合体がせん断をうけるときは、たとえ密詰めに締められていても、スレ-キングによる進行性破壊が考えられるため、排水せん断でのピーク強度や「残留」強度を直ちに長期安定の設計に用いることは危険であることを示した。そして、 4.泥岩砕石盛土の長期安定は、泥岩を吸水軟化させて作った正規圧密粘土の排水強度を最低線に考えてよいことを示した。ただし初期の締め固めが不十分でゆる詰めのときは、強度の発現までに大変形が起こるに注意しなければならない。
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Research Products
(2 results)