1995 Fiscal Year Annual Research Report
水の浸透に伴う目詰まりが浸透破壊に及ぼす影響に関する実験的研究
Project/Area Number |
07750589
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梅村 順 日本大学, 工学部, 助手 (70256816)
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Keywords | 浸透破壊 / 限界動水勾配 / 限界流速 |
Research Abstract |
浸透流に伴う目詰まり発生メカニズムと浸透破壊の関係を,土粒子個々の性質とその集合体としての性質に着目して,実験的に検討を行った.得られた主な成果は次の通りである.1.浸透破壊実験における技術的な問題点:a)実験に使用する水の脱気を綿密に行っても,実験に数日の時間を要する場合,供試体中に気泡が生じる.実験時にバックプレッシャーを付加するなどの工夫が必要である.b)本課題での流量制御方式の実験では,前述の気泡のために生じる透水断面の減少が透水抵抗の増大を生じて,浸透破壊の発生に大きく寄与する.2.Terzaghiの限界動水勾配に関連して:a)本課題で行った実験では,破壊形態に拘わらず,Terzaghiの限界動水勾配を首肯できるものであった.3.Justinの限界流速に関連して:a)本課題での流量制御方式の実験では,従来の浸透破壊実験に較べ土粒子個々が動き出す過程を詳細に観察することができたので,土粒子個々の限界流速を決定し易かった.b)本課題で行った実験では,供試体の有効間隙から求められる断面積で算定した平均流速を用いることで,破壊形態に拘わらず,Justinの限界流速を首肯できる結果を得た.4.微細土粒子の目詰まりに関連して:a)ガラスビーズを対象に行った実験では,間隙比に拘わらず,従来の粒径比条件の範囲で微細土粒子の移動・目詰まりが観察された.但し,一般土を対象とした実験では,微細土粒子を観察するには至っておらず,今後さらに継続して検討していく.5.水平流の実験に関連して:a)供試体とモ-ルドとの境界に生じる微小な隙間が実験に大きな影響を及ぼすため,何らかの処置が必要であることがわかった.この点を解決すべく,さらに装置の改良を進めていく.
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