1995 Fiscal Year Annual Research Report
希土類イオン交換処理による高飽和磁化フェライトの開発
Project/Area Number |
07750735
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高村 仁 東北大学, 工学部, 助手 (30250715)
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Keywords | β′′-フェライト / β′′′′-フェライト / 希土類イオン / イオン交換 |
Research Abstract |
本研究は、高飽和磁化を有するフェライトの開発を目標とし、非平衡相の生成が期待されるイオン伝導性β系フェライトの希土類イオン交換の可能性ならびに、その電気・磁気的性質について検討することを目的としている。 本年度の研究では、希土類イオン交換に必要と考えられる過剰のK^+を含有するホスト材料(β′′,β′′′′-フェライト)の合成を試みたが、まず、そのためにマスフローコントローラにより流量調整されたAr-O2系混合ガス系の酸素分圧制御炉を作製した。作製された酸素分圧制御炉では10^<-3>〜10^0atmまでの範囲で任意に酸素分圧を制御することができ、この炉を用いてCdイオンにより安定化されたβ′′,β′′′′-フェライトを作製した。 次の段階として、上述の方法により作製されたβ′′,β′′′′-フェライトに希土類イオン交換を試みた。希土類イオン交換の原料としては市販の塩化ネオジムを用いたが、この塩化物は非常に水和しやすいために本実験ではHClガス中で溶融塩を生成し、この溶融塩を用いてイオン交換を行った。希土類イオン交換処理を施した試料はSEM-EDX・粉末X線回析法によりその生成相が同定された。SEM-EDXの観察からは、溶融塩が粒界から含浸しβ′′・β′′′′-フェライトと反応すること、溶融塩に長時間直接接触した部分ではα-Fe_2O_3相への分解が起こること、試料の内部においては含有量は僅かであるが希土類イオン交換が起きていることが明らかとなった。従って、今後も課題としてα-Fe_2O_3相への分解をできる限り抑制し、より多くの希土類イオンが交換されるような条件を確立する必要が有る。
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[Publications] 高村 仁: "希土類-アルカリ金属系M型フェライトの合成と磁気的性質" 日本応用磁気学会志. 20(in Press). (1996)
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[Publications] H. Takamura: "The Crystal Structure and Magnetic Properties of M-type(La・AM)・nFe_2O_3 Hexagonal Ferrites(AM=Na, K, Rb)" Mater. Trans., JIM(in Press). (1996)
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[Publications] H. Takamura: "Electrical Conductivity of β′′′′-Ferriters with Al_2O_3 and Ga_2O_3" Mater. Trans., JIM. (in Press). (1996)