1995 Fiscal Year Annual Research Report
機能複合型の新しい光・電子用有機-無機複合系の開拓
Project/Area Number |
07750760
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
町田 真二郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20262032)
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Keywords | 有機・無機複合系 / 光機能 / ホールバーニング / 水素化ポルフィリン / 透明アルミナゲル / 高温PHB |
Research Abstract |
今年度に購入した恒温乾燥機を用いて、水溶性のテトラ(4-カルボキシフェニル)ボルフィンナトリウム塩(TPPC)およびメゾポルフィリンナトリウム塩をアルミナゲルに分散した試料の作成をゾルゲル法により行った。 ゾルゲル法による透明アルミナバルク体の作成は、アルコキシド法および無機塩法が報告されている。本研究では、両法を試み、出発溶液のpHや希釈率、乾燥制御剤の添加量などを変化させ、ポルフィリンが化学変化しない範囲でなるべく緻密な乾燥ゲル体を得る条件を検討した。最終的には、アルコキシド法で乾燥制御剤としてジメチルホルムアミドを添加した系で良好な試料を得た。 いずれの色素を用いた試料でも、試料を20Kに冷却してPHBを行ったところ、高効率でホールを形成し、色素が均一に分散していることが確認された。次に、温度サイクル実験を行い、ホールの熱安定性を調べたところ、低温に再冷却した際のホールの埋まり混み易さおよびホール幅の広がり易さは、ポリマー系の中で最も良い部類の試料と同程度であった。一方、高温で観測されたホール面積は、ポリマー系よりも大きく、特にTPPC系はデバイ・ワーラー因子の温度依存性が極めて小さい系であることがわかった。 128KでTPPC系にレーザーを照射し、差スペクトルを測定したところ、ホールが形成されていることが確認できた。これは、水素化ポルフィリンを用いた系の中では最高温度である。 以上のように、色素アルミナ複合系でPHBを行い、良好な特性が得られることを確認したが、現在、新たにジルコニアなどを用いた系の作成を試み、機能複合化の可能性を探っている段階である。
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[Publications] S. Machida, K. Horie et. al.: "Photochemical Hole Burning of Organic Dye Doped in Inorganic Semiconductor" Applied Physics Letters. 66. 1240-1242 (1995)
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[Publications] K. Matsuura, S. Machida et. al.: "Photochemical Hole Burning for Organic-Inorganic Hybrid Systems (III) : Porphyrin/Al_2O_3" Book of Abstracts, 1995 International Chemical Congress・of Pacfic Basin Societies. Part I. 8. 402 (1995)
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[Publications] 堀江、町田: "光・電子機能有機材料ハンドブック III-1-3 “PHB、フォントエコー材料"" 朝倉書店, 8 (1995)