1995 Fiscal Year Annual Research Report
無機高分子を前駆体とする窒化アルミニウム/窒化ケイ素ナノコンポジットの合成
Project/Area Number |
07750769
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅原 義之 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (50196698)
|
Keywords | プレセラミック / コンポジット / AlN / Si_3N_4 / 熱分解 / カゴ型構造 / ポリミラザン |
Research Abstract |
有機金属化合物(前駆体)の熱分解を利用してセラミックスを合成することが可能である、本手法はセラミック複合材料合成法として有用である。そこで、本研究ではAlN前駆体である(HAlNPr^i)_mとSi_3N_4前駆体である(MeSiHNH)_nが均質に分散した前駆体を合成し、これを熱分解してセラミックス複合材料を得ることを試みた。生成物中のAl:Si比が1:1となるように(HAlNPr^i)_m〔固体〕と(MeSiHNH)_n〔液体〕を仕込んで室温で攪拌したところ、次第に粘性が高まり最終的には白色の固体となった。これを前駆体とした際のセラミック収率は、室温〜900℃のTG測定において約70%であり、(HAlNPr^i)_mの35%、(MeSiHNH)_nの30%に比べ非常に高い値を示した。また、(HAlNPr^i)_mと(MeSiHNH)_nを単独で熱分解した際に観測される(HAlNPr^i)_m、(MeSiHNH)_nなどの分子イオンやフラグメントイオンが、この前駆体を用いた場合は観測されなかった。従って、前駆体合成時または熱分解時に(HAlNPr^i)及び(MeSiHNH)間で架橋構造が形成されていることが示唆された。 前駆体のAr雰囲気下での焼成物は、800℃処理ではアモルファスであったが、1350℃処理によりブロードな回折線を生じた。さらに1600℃処理を行うと結晶化の進行が確認され、主にAlNとSiCが生成していると考えられた。この試料のSEM観察では20〜30nmの粒子が見られた。一方、NH_3雰囲気下の焼成物では、主にAlN及びSi_3N_4が生成していると考えられた。またSEM観察の結果、60〜200nmの粒子から構成されていることがわかった。
|