1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07750857
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 戦国 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (00250853)
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Keywords | 石炭 / ガス化複合発電 / 灰分 / 溶融性 / 炭素 |
Research Abstract |
次世代の高効率発電システムとして期待される石炭ガス化複合サイクル発電技術の開発に関係して、石炭灰の溶融挙動に対して残存炭素がどのように影響するかを明らかにすることを目的とした研究を行った。 オーストラリアのNewstan瀝青炭の灰分に炭素を添加した試料の挙動を調べた。不活性雰囲気中で測定した原炭の変形開始温度、軟化温度、流動温度はそれぞれ1420、1480、1510℃であるが、炭素添加量の増加とともにこれらの特性温度は高くなり、10%の炭素添加により1625、1635、>1650℃となった。このように、炭素の存在が大きな影響を与えることが分かった。空気中で同様の実験を行うと、原炭の特性温度は上記のものとほぼ同じであるが、10%の炭素存在下では1555、1565、1570℃となり、炭素の存在による温度上昇は不活性雰囲気下での場合ほどではなかった。炭素が燃焼して消失するためと思われるが、それでも原灰に比べるとかなりの温度上昇であり、重要な知見である。また、不活性雰囲気下で炭素の代わりに石炭を添加してみたところ、温度変化はわずかであった。これは石炭から発生する還元性の揮発分が鉱物質の化学形態に影響を与え、溶融性を増加する効果を与えたのと、残存炭素による溶融性減少効果が相殺したためであると思われる。このように灰分の溶融性に対しては非常に多くの因子が影響しており、今後さらに綿密な検討が必要であろう。
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