1995 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学活性プライマーを用いた新しい遺伝子定量法の開発
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07750901
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹中 繁織 九州工業大学, 情報工学部・生物化学システム工学科, 助教授 (60188208)
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Keywords | 遺伝子診断 / ポリメラーゼ連鎖反応 / フェロセン修飾オリゴヌクレオチド / 高速液体クロマトグラフィー / 電気化学検出器 / PCRプライマー / Duchenre型筋ジストロフィー |
Research Abstract |
遺伝子の欠失や重複を正確かつ効率的に検出する手法の開発は,遺伝子診断や遺伝子治療の観点から重要である.しかし,これまでの手法は,厳密な定量性は与えていなかった.従って,保因者が女性で2本あるX染色体の片方に欠失が生じた場合(この場合は,見かけ上異常は現われず,その量的変化のみである)これまでの手法による診断は困難であった. ところで反応サイクルごとに遺伝子を倍増するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は遺伝子量とPCRサイクル数に定量性が期待される.しかし,これまでの研究からPCRサイクルの初期段階での定量化は高いがPCR反応サイクルを重ねれば定量性が悪くなることが明らかとなっている.これを克服するのは増幅サイクルの低い段階での検出である.しかし,PCRの特徴である高感度性は失われる. 本研究者は,これまで電気化学活性基を有するオリゴヌクレオチドを合成し,これをDNAプローブとして高速液体クロマトグラフィー(HPLC)-電気化学検出器(ECD)を用いることにより高感度で迅速な遺伝子予定量法を開発した。この電気化学活性化オリゴヌクレオチドがPCRのプライマーとして利用できればこれまでの定量化PCRの問題点を抜本的に解決できるものと期待される.従って本研究では,電気化学活性化オリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして用い,PCR-HPLC-ECDシステムによる遺伝子の迅速定量法を確立することを目的とした.当該年度において本定量法が実現可能であることを明らかにし、伴性劣性遺伝形式をとるDuchenne型筋ジストロフィー(DMZ)の保因者診断に応用した.これによって細胞一個からの遺伝子検出に成功した. これらの結果は,遺伝子診断に革命的な手法をもたらすものと期待している.
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[Publications] T.Ihara,Y.Maruo,Y.Uto,S.Takenaka,M.Takagi: "DNA Ligand-Redox Active Molecule Conjugates as an Electrochemical DNA Probe" Anal.Sci.& Tech.(in press). (1995)
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[Publications] S.Takenaka,M.Manabe,M.Yokoyama,N.Nishi,J.Tanaka,H.Kondo: "Specific Binding to Poly A of a Naphthalene Diimide Carrying Thymine Groups" J.Chem.Soc.,Chem.Commun,. (in press). (1995)
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[Publications] S.Takenaka,H.Kondo: "Advances in Nucleic Acid Analysis by HPLC (Molecular Biology : Current Innovations and Future Trends )" Horizon Scientific Press (Ed.H.Griffin), 18 (1995)