1995 Fiscal Year Annual Research Report
水晶振動子を用いたデュアルレスポンスバイオセンサーの開発
Project/Area Number |
07750907
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
立間 徹 東京農工大学, 工学部, 助手 (90242247)
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Keywords | 水晶振動子 / バイオセンサー / 電気化学 |
Research Abstract |
本研究は、酵素やそのモデル分子などの、生体由来の基質特異性分子を水晶振動子に固定化し、電流と共振周波数という二つの応答(デュアルレスポンス)に基づいて従来より詳細な化学センシングを行うことを目的とした。ペルオキシダーゼやモデル分子は、その活性中心であるヘムにシアンやその他の強い配位子が配位結合すると、過酸化水素還元触媒活性を失う。したがって、過酸化水素還元電流がどの程度低下するかを観測することにより、溶液中の配位子の濃度を知ることができる。本研究において、ペルオキシダーゼを用いたシアンセンサーを開発し、評価を行った。また同センサーを、リナマラーゼ(キャッサバなどに含まれるシアン配糖体であるリナマリンを分解してシアンを生成する酵素)と組み合わせることにより、リナマリンセンサーを開発することができた。同センサーを用いることにより、キャッサバの抽出液からリナマリンのみを選択的に検出・定量することができた。また、研究代表者らがすでに開発したヘムペプチド(ペルオキシダーゼのモデル分子の一つ)を用いたイミダゾール誘導体センサーについて、カチオン交換膜を用いることにより選択性を制御する試みを行った。これらの酵素・酵素モデルを水晶振動子上に固定化することにより、配位子の結合による質量増加を検出することが可能になる。実際、ヘムペプチドを固定化した場合、イミダゾール誘導体の存在下では共振周波数の変化が観測された。また、過酸化水素還元電流の変化と共振周波数変化を同時に測定することができ、デュアルレスポンスバイオセンサーを試作することができた。
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