1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07750941
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木田 敏之 大阪大学, 工学部, 助手 (20234297)
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Keywords | N-アセチル-O-グルコサミン / 第四級アンモニウム塩 / 界面活性化合物 / 臨界ミセル濃度 / p-ニトロフェニルグルコシド / アルカリ加水分解 / ミセル触媒作用 |
Research Abstract |
1.糖由来の界面活性化合物の合成 N-アセチル-D-グルコサミンを出発物質として、1位水酸基のメチル化後、DMF/n-ヘキサン混合溶媒中、ドデシルアルデヒドジメチルアセタールとのアセタール交換反応により、4,6-O-ドデシリデン誘導体を合成した。ここで得られた生成物はα-及びβ-アノマーの混合物からなり、これらの分離はシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより行った。得られたα-及びβ-アノマーを脱アセチル化して2-アミノ誘導体を得、これとヨウ化メチルを炭酸ナトリウム存在下で反応させて、第四級アンモニウム塩型界面活性化合物へと誘導した。 2.界面物性及びミセル触媒作用の検討 合成した界面活性化合物のクラフト点はいずれも0℃以下で、良好な水溶性を示すことがわかった。α-メトキシル基を有する化合物は、対応するβ-体よりも優れたミセル形成能を示した。一方、表面張力低下能に関しては、α-体とβ-体間で差は認められなかった。 次に、これらの化合物のミセル存在下でp-ニトロフェニルα-(及びβ-)グルコシドのアルカリ加水分解反応を行った。反応は、糖の水酸基と親油性のエステル化合物を形成して基質のミセル内への取り込みを促進させる効果を持つフェニルホウ酸存在下、pH11のリン酸緩衝液中で行い、加水分解により生成するp-ニトロフェノラートアニオン量をUVスペクトル(λ=400nm)で追跡することにより擬一次速度定数を求めた。また、比較界面活性化合物として塩化ヘキサデシルアンモニウム(HTAC)を用いて同様に基質の加水分解反応を行った。いずれの界面活性化合物を添加した場合でも、β-グルコシドに対するα-グルコシドの加水分解選択性の向上が観測された。また、合成した第四級アンモニウム塩型化合物を用いた時、HTAC添加時を上回る選択性が得られることがわかった。特に、β-メトキシル基を有する化合物は検討した化合物の中で最も高い選択性、つまり、ミセル不在系の3倍以上のα/β選択性を示すことがわかった。
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Research Products
(1 results)