1995 Fiscal Year Annual Research Report
アザイソオキサゾロファンを基体とする機能性シクロファンの合成と機能に関する研究
Project/Area Number |
07750942
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
:八田 泰三 熊本工業大学, 工学部, 講師 (40208533)
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Keywords | アザイソオキサゾロファン / シクロファン / 大環状化合物 / 包接 / ホスト分子 / 水溶性 / イソオキサゾール / β-ジケトン |
Research Abstract |
本研究では、アザシクロファンの芳香環の一成分としてイソオキサゾール環を持つ新規なテトラアザイソオキサゾロファン(TAIZO)類の合成と機能化について検討し、次のような成果が得られた。 1,(1)標的化合物TAIZOの出発物質として3,5-ビス(p-ブロモメチルフェニル)イソオキサゾール(BMIZO)を選び、その高収率合成法を確立した。(2)炭酸ナトリウム存在下、BMIZOとm-およびp-ビス(N-アルキルアミノメチル)ベンゼンとの高度希釈条件下の反応により、2:2縮合体の大環状m-TAIZOおよびp-TAIZOを好収率で合成することに成功した。 2,m-およびp-TAIZOを酢酸存在下ラネ-ニッケル(W-2)で還元後、希塩酸で処理することにより、それぞれ対応するテトラアザ[3.3.3.3.3.3]シクロファンビス(β-ジケトン)への変換に成功した。 3,m-およびp-TAIZOとメチルトシラートとの反応によって生成したアンモニウムトシラートをアニオン交換することによって、水溶性の塩化アンモニウム塩、m-TAIZOC1およびp-TAIZOC1の合成に成功した。 4,NMR滴定の検討により、TAIZOC1の芳香族化合物に対する包接能を明らかにした。(1)p-体は二環性芳香族ゲストとのみ1:1包接錯体を形成するのに対し、m-体は単環性および二環性芳香族ゲストと1:1包接錯体を形成し、Ks値よりp-体の70倍も強く二環性芳香族ゲストを取り込むことが明らかとなった。(2)TAIZOC1と二環性芳香族ゲストとの包接錯体はエクアトリアル型であることが示唆された。(3)m-TAIZOC1と単環性芳香族ゲスト間に静電的相互作用があることが明らかとなった。 以上の結果を、現在学会誌に投稿中である。
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