1995 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族C-H結合のオレフィンへの触媒的付加反応の開発
Project/Area Number |
07750953
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
垣内 史敏 大阪大学, 工学部, 助手 (70252591)
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Keywords | ルテニウム / 炭素-水素結合切断 / 炭素-炭素結合生成 |
Research Abstract |
本研究では、新触媒反応である芳香族C-H結合のオレフィンへの付加反応において、適用可能な基質を検討し、本触媒反応の適用範囲の一般性を高め、また本触媒反応の合成化学における有用性を確立することを目的とした。種々の置換基を有する芳香族ケトンを合成し、置換基が反応性および選択性におよぼす影響を系統立てて調べ、新触媒反応の特徴を系統立てて調べた。具体的には、以下の検討を行った。 1)種々の遷移金属錯体を合成し、それらの触媒能を検討した。また、反応条件を種々変化させ反応条件の最適化をはかった。また、錯体の構造および金属上の配位子を系統立てて変え、錯体の構造および配位子の性質が反応性におよぼす影響を調べた。 2)種々の置換基を有する芳香族ケトンを合成し、置換基が反応性、および選択性におよぼす影響を系統立てて調べた。 3)多様な型のオレフィンおよび芳香族ケトンを合成し、構造の違いに起因する反応性や選択性の変化を系統立てて調べた。 その結果、低原子価のルテニウム錯体のみが触媒活性を示すこと、並びに配位子としてアリールホスフィンを有する錯体が高い触媒活性を示すことが明かとなった。本触媒反応が適用できる基質の組み合わせの範囲が広いこと、および有機合成反応で使用する反応スケールでも同等の効率および選択性で生成物を得ることが明かとなった。また、ケトンおよびオレフィンの立体因子が反応性および生成物の選択性に大きな影響を与えることが明かとなった。ケトンカルボニル基の酸素原子がルテニウムに配位することが、効率の良い触媒反応の達成に必要であるという重要な知見も得られた。
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