1995 Fiscal Year Annual Research Report
刺激応答性「かご」型人工レセプターの合成と水中および二分子膜中における分子認識
Project/Area Number |
07750958
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林田 修 九州大学, 工学部, 助手 (20231532)
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Keywords | かご型シクロファン / ホスト・ゲスト / 合成二分子膜 / 分子認識 |
Research Abstract |
1.2つのテトラアザ〔3.3.3.3〕パラシクロファンをα-アスパチルアスパラギン酸誘導体酸誘導体で架橋した「かご」型人工レセプターを合成した。合成経路はシクロファン骨格にt-ブトキシカルボニル-L-アスパラギン酸-β-ベンジルエステルをDCC縮合法により導入した。その後、トリフルオロ酸によりα-アミノ基の脱保護を行い、テトラアミン誘導体を得た。一方、パラジウム黒を触媒とした水素還元によりカルボシキル基の脱保護を行い、テトラカルボン酸誘導体を得た。得られた化合物について、ジエチルシアノリン酸を縮合剤として高希釈条件で環化縮合反応を行い、「かご」型シクロファンを得た。さらに、トリフルオロ酢酸によりα-アミノ基の脱保護を行い、酸性水溶液に可溶性となる「かご」型シクロファンを得た。すべての目的物はIR,NMR,MS及び元素分析によりその構造を同定した。 2.「かご」型人工レセプターの酸解離定数(pKa)値をNMRスペクトル法により評価し、人工レセプターの荷電状態を明らかにした。その結果として、「かご」型シクロファンはpH4以下の酸性水溶液中においてはテトラカチオン種として存在し、水溶液ホストとして機能することを見出した。 3.合成ペプチド脂質が形成する二分子膜中への「かご」型シクロファンの固定化について、ゲルろ過法による検討を行った。その結果として、酸性水溶液中でカチオン種として存在する「かご」型ホストは表面に正荷電を有するベシクル中には取り込まれないが、中性およびアルカリ性水溶液中においては定量的に取り込まれることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Osamu Hyashida: "Specific Molecular Recognition by Chiral Cage-type Cyclophanes Having Leucine,Valine,and Alanine Residues" Tetrahedron. 51. 8423-8436 (1995)
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[Publications] Osamu Hayashida: "Size and Shape-sensitive Molecular Discrimination by Cage-type Cyclophanes in Aqueous Media" Supramolecular Chemistry. 109-114 (1995)
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[Publications] Osamu Hayasida: "Preparation and Characterization of Water-soluble Cyclophanes Bearing Three or Four Dipeptide Moieties as Cationic Hosts" Tetrahedron Lett.44. 8051-8054 (1995)
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[Publications] Yukito Murakami: "Molecular Recognition by Large Hydrophobic Cavities Embedded in Synthetic Bilayer Membranes" Top.Cunr.Chem.175. 133-156 (1995)
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[Publications] 林田 修: "マクロ環型人工レセプターの分子設計と分子認識" 染料と薬品. 40. 169-180 (1995)
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[Publications] Yukito Murakami: "Large Water Soluble Cavities(Comprehensive Supramolecular Chemistry)" Pergamon Press(印刷中), (1996)