1995 Fiscal Year Annual Research Report
分子細胞学的手法による新たなオオムギ染色体マーカーの創出
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07760004
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
武田 真 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (40216891)
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Keywords | オオムギ / 染色体 / 分染法 / in situハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
本研究では、オオムギの新たな染色体マーカーを分染法および分子細胞学的手法によって創出することを試みた。 まず、野生オオムギ(Hordeum spontaneum)および栽培オオムギ(Hordeum vulgare)を各3系統供試し、C-分染法によるバンドパターンの変異を調査した。その結果、野生オオムギは3系統とも第5染色体短腕の中部に栽培オオムギではみられない鮮明なバンドを持つことが明らかになった。野生オオムギと栽培オオムギとのF_1雑種の減数分裂第一中期の染色体をC-分染したところ、野生オオムギと栽培オオムギの第5染色体短腕間で正常に対合することがわかった。このことから野生オオムギの第5染色体短腕のバンドは構造異常ではなく、多型によって生じたものであることが明らかになった。 次に、同一の染色体核板に対して分染とゲノミックin situハイブリダイゼーションを連続的に行う方法を、四倍性コムギの一種であるTriticum abyssinicumを材料として検討した。その結果、先にin situハイブリダイゼーションを行った標本をひき続いてN-分染する方法では、鮮明なN-分染像を得ることができなかった。しかし、先にN-分染を行い、脱染色してin situハイブリダイゼーションすると、良好なシグナルが得られることが明らかになった。 さらに、コムギにオオムギ染色体が添加された系統を供試し、ゲノミックin situハイブリダイゼーション法を適用した。コムギの全DNAを無標識とし、オオムギの全DNAをビオチンで標識し、両者を約25:1の濃度比で混合したものをプローブとし、染色体標本にin situハイブリダイゼーションさせ、シグナルを蛍光検出した。その結果、オオムギ染色体とコムギ染色体を識別することができた。現在、混合する濃度比を変化させ、バンド状のパターンが得られないかどうかを検討している。
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[Publications] S.Taketa,J.Kato,K.Takeda: "High crossability of wild barky (Hordeum spontareum C.Koch) with pread wheat and the differential elimirchon of barky chromosomes in the bybnds" Theoretical and Applied Genetics. (印刷中).