1995 Fiscal Year Annual Research Report
選択的阻害剤の作用特性の違いを利用した液砲型ATPaseの構造と機能の解析
Project/Area Number |
07760109
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
室井 誠 理化学研究所, 動物・細胞システム研究室, 研究員 (30261168)
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Keywords | 液胞型ATPase / 糖蛋白質 / 細胞内転送 / 阻害剤 / Concanamycin / Bafilomycin / Destruxin |
Research Abstract |
オルガネラの酸性化を担っている液胞型H+輸送性ATPase(V-ATPase)の阻害剤であるBafilomycin A_1,Folimycin(Concanamycin A),Destruxin Bに加えて、新たに単離したDestruxin Eについても検討した。マクロライド系抗生物質であるBafilomycin A_1やFolimycinと同様に、全く構造の異なるDestruxin BやEでもウイルス外被糖蛋白質の合成には作用しないで、細胞表層出現の結果として起こる細胞融合を顕著に阻害した。また水疱性口内炎ウイルス(VSV)感染BHK細胞の螢光染色をVSV-G蛋白質に対する抗体を用いて行ったろころ、いずれの薬剤でも処理細胞の核近傍のオルガネラにVSV-G蛋白質の蓄積が認められた。Bafilomycia A_1とFolimycinの酵母分泌糖蛋白質に及ぼす作用特性の差異は認めているが、BHK細胞の細胞内に蓄積したVSV-G蛋白質の糖鎖構造の解析結果、差異は認められなかった。更に、Destruxin BまたはEとの差異については、現在検討している。 FolimycinはV-ATPaseを非拮抗的に阻害することを認めた。野性株並びにV-ATPaseのサブユニットの欠失変異株を用いて、阻害剤の液胞膜への吸収実験から、FolimycinもBafilomycia A_1同様にV_0セクターに選択的に結合することを明らかにした。Destuxin B並びにEの阻害様式も非拮抗阻害であるが、Folimycinの液胞膜への吸収に対して阻害が認められないことから、Folimycinとは異なったサブユニットに作用していることが示唆された。
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