1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07760234
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐々木 長市 弘前大学, 農学部, 助教授 (30162374)
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Keywords | 水質 / 土壌タイプ / 降下浸透 / 暗渠 |
Research Abstract |
農地と環境の関わりを水田を中心にした水質浄化の観点から解明を試みた。特に本研究では、土壌の違いによる鉛直方向の水質の変動に注目し、水田の地下水函養機能に加え水質の浄化傾向も認められるであろうことを検証する一助となることを想定した。 調査は、水田の土壌タイプ別に有機質水田と無機質水田の2種類を用い、水田への流入水、田面水、、暗渠及び排水路の水質を調査することにより解明を試みた。そのため、弘前市の灰色低地土壌水田(弘前水田、無機質)と青森県の浪岡町の黒ボク土水田(浪岡水田、有機質)及び秋田県の大潟村の細粒グライ土壌水田(八郎水田、無機質)の3種類の水田について灌漑期及び落水期にその水質を2週間に1回程度調査分析した。 その結果、湛水のDO値は八郎水田で8-9ppm、弘前、浪岡水田で8-10ppm、これに対し、暗渠の値は八郎、青女子、浪岡水田で3ppm前後となった。湛水のBODの値は、八郎で約10ppm、弘前、浪岡水田で約6ppm、3地点の暗渠でいずれも3ppmであった。3地点のいずれでも湛水に比べDO、BODが低下する傾向が認められた。しかし、ECの値は逆に暗渠排水の方が高くなる傾向が認められた。特に、八郎水田の湛水の値は0.6ms/cmに対し暗渠で1.5ms/cmと大きな差となった。これらの原因を究明するため、鉄、マンガンの濃度を測定した。その結果、湛水に比べ濃度が上昇する傾向が確認された。このような塩基類の増加がECの値に差をもたらしていると考えられる。大腸菌郡数も湛水に比べ暗渠の値が低下する傾向にあった。 以上のように、鉛直方向の浸透水の微生物学的な浄化傾向は明確になったが、各種イオン濃度等は、土壌の特性が大きく反映する傾向のあると結論されよう。
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Research Products
(1 results)