1995 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド組織化学によるマレック病発病過程の解析
Project/Area Number |
07760291
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
遠藤 大二 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40168828)
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Keywords | マレック病ウイルス / ICP4ホモローグ / MDCC-MSB1 / pp38 / gB / ハイブリッド組織化学 / in Situ ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
マレック病ウイルス(MDV)の遺伝子群は前初期遺伝子、初期遺伝子と、後期遺伝子に分かれる。申請者は、感染鶏の組織中の細胞について、ハイブリッド組織化学による遺伝子発現の検討を計画した。そのため、前初期遺伝子としてICP4ホモローグ、初期遺伝子としてpp38、そして後期遺伝子としてgBに着目し、た。本研究では、まず、ICP4ホモローグおよびpp38遺伝子の感染成立への関与を検討するため、MDVが潜伏感染するMDCC-MSB-1細胞におけるICP4ホモローグの影響を検討した。ICP4ホモローグ発現プラスミドをトランスフェクトすることにより、MDCC-MSB-1細胞でICP4ホモローグを発現させたところ、pp38の発現は促進され、ICP4ホモローグは初期遺伝子の発現を促進することが示唆された。続けて、MDV感染鶏についてハイブリッド組織化学と免疫組織化学を用い、ICP4ホモローグ、pp38、およびgB遺伝子の発現を検出した。ICP4ホモローグおよびpp38について、ジゴキシゲニン標識したハイブリッド組織化学用プローブを作出し、組織上のmRNAを検出した。また、pp38およびgB遺伝子の発現については、モノクローナル抗体M21およびM51を用いて免疫組織化学的に検出した。その結果、ウイルス産生性の感染を起こしている羽包上皮細胞においては、ICP4ホモローグ、pp38およびgBが発現し、MDVが潜伏感染中のリンパ球およびMD腫瘍においては、ICP4ホモローグのみが発現していた。この結果から、MDV感染後の急性期においては、ICP4ホモローグ、pp38およびgBが発現するウイルス産生性の感染が進行し、潜伏感染中および腫瘍化したMDV感染細胞においては、ICP4ホモローグのみが低頻度で発現していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)