1995 Fiscal Year Annual Research Report
キメラ及び点変異体作成によるオピオイドδ受容体の同種脱感作機構の解析
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07770071
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
宮前 丈明 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00239435)
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Keywords | オピオイド受容体 / アフリカツメガエル / 卵母細胞 / 同種脱感作 / 情報伝達機構 / キメラ変異体 / 点変異体 / リン酸化 |
Research Abstract |
アフリカツメガエル卵母細胞を用いた受容体発現実験において、本研究者はδ-オピオウド受容体と特定のGTP結合蛋白質(G蛋白)、とくにGi1の再構成実験をすでに確立してきたが、本研究においては、その同種脱感作の情報伝達機構を明らかにするとともに、受容体側に存在する機能領域を点変異体作成により決定した。実験には先に述べた卵母細胞を用い、δ-オピオイド受容体とGi1αサブユニットのRNAを同時注入し、数日後、0mV電位固定下に電流測定を行った。δ-オピオイドアゴニストはED50値30nMで外向きで、繰り返し適用によっても安定した電流応答を示したが、その100倍高濃度の適用によっては急速に脱感作を示した。詳しい薬理学的研究の結果、その脱感作機構にはδ-オピオイド受容体の活性化とそれに続くホスホリパーゼC活性化、プロテインキナーゼ活性化が関与することが明らかになった。δ-オピオイド受容体と同様の情報伝達を示すM2アセチルコリン受容体を同時に発現させた実験から、このδ-オピオイド受容体の脱感作機構は同異種であることが明らかになった。δ-オピオイド受容体には細胞内領域に数多くのセリン/スレオニン残基が存在し、これらはA-キナーゼやC-キナーゼの基質になりうることが明らかになっているが、これらのアミノ酸残基をアラニンに残基に点変異したそれぞれの受容体を作成し、同種脱感作を検討したところ、352番目のスレオニン残基をアラニン残基に変えたものに同種脱感作の消失が認められた。この位置は本7回膜貫通型受容体構造のC末端領域に相当することが明らかになった。
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[Publications] Ueda,H.,Miyamae,T.,Fukushima,N.,Takeshima,H.et al: "Opioid μ- and κ- receptor mediate phaspholipasec activation through Gi1 in Xenopus oocytes" Mol.Brain Res.32. 166-170 (1995)
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[Publications] Ueda,H.,Miyamae,T.,Hayashi,C.,Watanabe,S,Fukushima,N.et al.: "Si μ-,κ- Opioid receptors mediate activation of phospholipase C through Gi1 in Xenopus oocytes" Analgesia. 1. 797-800 (1995)
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[Publications] Ueda,H.,Hayashi,C.,Miyamae,T.,Watanabe,S.,Fukushsima,N.et al.: "Desensitisation of S-opioid receptor in Xenopus oocytes,CDS-cells and guinea pig striatal membranes" Analgesia. 1. 793-796 (1995)
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[Publications] Ueda,H.,Miyamae,T.,Hayashi,C.,Watanabe,S.et al.: "Protein kinass C involvement in homotogous desensitisation of Σ-opioid receptor coupled to Gi1-phospholipase C activation in Xenopus oocutes" J.of Neurosciences. 15. 7485-7499 (1995)