1995 Fiscal Year Annual Research Report
ラット大脳及び血管平滑筋からのアドレノメデュリン受容体のクローニングと機能解析-電気生理学的手法による機能性クローニング法を用いて-
Project/Area Number |
07770075
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
上園 保仁 産業医科大学, 医学部, 講師 (20213340)
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Keywords | 電気生理学 / アドレノメデュリン / 受容体 / G蛋白質 / クローニング / アフリカツメガエル / システィックファイブロ-シス / cAMP |
Research Abstract |
アドレノメデュリンは1993年に発見されたペプチドで、副腎髄質、血管壁、脳などに分布し、cAMPの上昇を介する血管拡張作用により血圧を降下させることが知られている。従ってアドレノメデュリン並びにその模倣薬は、高血圧治療薬としてその開発が期待されている。薬物開発にはまずその受容体の特性ならびに構造を明らかにすることが重要であるが、アドレノメデュリン受容体のクローニングは現在まで行われていなかった。申請者は、Aキナーゼ依存性C1^-チャンネルであるシスティックファイブロ-シスgeneをセンサーとし、受容体刺激で起こるcAMPレベルの変化を電気生理学的にアッセイすることにより、アドレノメデュリン受容体の機能性クローニングを試みた。ラット大脳よりmRNAを抽出しアフリカツメガエル卵母細胞に発現させたところ、アドレノメデュリンによるC1^-カレントが検出された。そこでmRNAよりcDNAライブラリーを作製し、アドレノメデュリン受容体をコードするクローンのスクリーニングを行っていた。その途中で昨年10月、アドレノメデュリン受容体のクローニングが報告されたため、同クローンを、PCRを用いてラット大脳cDNAライブラリーよりクローニングし、それに成功した。 クローニングしたアドレノメデュリン受容体をツメガエルに発現させ、その特性を上記手法により検討したところ、脳mRNAを発現させて得られた反応と比較し、クローン受容体を発現した卵母細胞の反応はかなり小さいものであった。発現方法の工夫および発現の最適化が必要であると思われると同時に、アドレノメデュリン受容体にはこの他にもサブタイプの存在する可能性も考えられる。今後は、今回クローニングした受容体の特性解析に加え、更なるサブタイプの存在について、PCR法を用いてその可能性を検討したいと考えている。
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[Publications] 上園保仁: "ヒトグリア細胞株(KG-1C)におけるAdrenomedullin感受性受容体の性質" Japanese Journal of Pharmacology. 69. 144 (1996)
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[Publications] Akihiko Osajima: "Adrenomedullin increases cyclic AMP more potently than CGRP and amylin in rat renal tubular basolateral membranes" Life Sciences. 57. 457-462 (1995)
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[Publications] 上園保仁: "A-Kinase依存性チャネル(CFTR)によるcAMPアッセイ法" 医学のあゆみ. 175. 231-235 (1995)
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[Publications] Yasuhito Uezono: "GABA-B agonist baclofen enhances the Gs-coupled receptor-induced cAMPproduction via G-protein βγ subunits in Xenopus oocytes expressing rat brain poly(A) ^+RNA." Abstract, Society for Neuroscience. 21. 1347 (1995)
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[Publications] Yinong Zhang: "Expression and functional analysis of components of the mammalian olfactory signal transduction pathway." Abstract, Society for Neuroscience. 21. 131 (1995)