1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトのロイコトリエンB_4ω水酸化酵素の発現制御に関する研究
Project/Area Number |
07770093
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
菊田 安至 福山大学, 工学部, 助手 (50224895)
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Keywords | ロイコトリエンB_4 / ω水酸化 / 発現 / クロモソームスッピング / 転写開始点 / 遺伝子構造 |
Research Abstract |
ヒトのロイコトリエンB_4ω水酸化酵素の発現制御について検討を行い、以下のことを明らかにした。 ヒトのロイコトリエンB_4ω水酸化酵素はCYP4F遺伝子サブファミリーに属するチトクロームP-450であるが、サザンブロッティング方によりヒトゲノム上にはCYP4Fに関連した遺伝子が5〜7個程度存在し、そのうち好中球の酵素(CYP4F3)の遺伝子及びそれに関係した遺伝子が1〜2個、肝臓の酵素(CYP4F2)に関係した遺伝子は3〜5個あることが分かった。このうち、CYP4F3の遺伝子について解析した結果、本遺伝子の開始コドンはエクソンII上に、終始コドンはエクソンXIIIにあり、エクソンIは49bのリーダ配列をコードしていた。また、CYP4F3とCYP4F2は非常に相同性の高い一次構造を持つものの両者の間で全く異なる配列が一部存在するが、この部分はちょうど一つのエクソンで区切られており、スプライシングサイトが変わったために生じたと考えられた。転写開始点の上流約1kbの範囲にはTATAボックスやGCボックスなどの典型的なプロモーター配列は見られなかったが、転写開始点より129b上流にCACCC結合サイトが見られ、これが本遺伝子のプロモーターであると考えられる。また、この範囲内にはLBP-1結合サイトが3カ所、FIS結合サイトが1カ所、NF-mE1結合サイトが1カ所、そしてTGGCA結合サイト転写開始点より上流約1kbのところに見られる繰り返し配列内に7カ所見られた。本遺伝子の染色体上の位置を蛍光 in situハイブリダイゼーション法により検討した結果、本遺伝子は19番染色体上の短碗(19p13.2)にあることが判明した。
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