1995 Fiscal Year Annual Research Report
移植拒絶反応時に出現する細胞傷害性マクロファージの標的細胞特異性:
Project/Area Number |
07770113
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山本 直樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (10260176)
|
Keywords | allograft / macrophage |
Research Abstract |
マウスでのallogeneic tumorの拒絶反応のeffector cellはT-cellでなくmononuclear phagocyteであり,その細胞を我々はallograft induced macrophge(AIM)と名付けた.AIMは同種皮膚移植の際(BALB/c→B6)にも出現していることを前回までに報告している.今回はAIMが他のdonor-recipientの組み合わせに出現するかと,標的細胞特異性,出現時期について検討した.AIMにのみ発現している表面抗原(K16.5)をコードしているcDNA(pK30)のクローニングに成功したため,そのRNAprobeを用いて(B6→BALB/c),(C3H→B6),(B6→B6)のdonor-recipientの組み合わせの場合にin situhybridizationにてAIMが浸潤細胞の中に存在するかどうかを調べた.その結果autograftの場合には浸潤細胞の中にAIMは存在せず,allograftの場合のみにAIMが存在していた.次に同種皮膚移植の際(BALB/c→B6)の浸潤細胞を酵素処理にて分離し,その細胞傷害活性の標的細胞特異性を調べたところ,移植後5日目よりMeth A(H-2^d)に対する活性を認め,その活性は移植後7日目に頂点に達した.この活性はThy-1+complementによる処理にて減少しないため,AIMによる活性と考えられた.一方,allogeneic Con A blast(BALB/c,C3H)に対する活性は移植後5日目には全く検出できず,活性は移植後7日目に頂点に達し,移植後9日目には半減した.この活性はThy-1+complementによる処理にて全て消失したためT-cellによるものと考えられた.全経過を通じて浸潤細胞はB6 Con A blastに対して細胞傷害活性を持たなかった.以上により,allograftの拒絶の際T-cellに先だってAIMがself,non-selfを識別していると考えられた.
|