1995 Fiscal Year Annual Research Report
全セントロメアの核内分布異常の解析-FISH法と共焦点レーザ顕微鏡を用いて-
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07770135
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
村田 晋一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20229991)
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Keywords | セントロメア / FISH / 共焦点レーザ顕微鏡 / テキスチャ解析 / 濃度共起行列 / 甲状腺腫瘍 |
Research Abstract |
【研究目的】本研究の目的は甲状腺腫瘍細胞の染色体の分布パターンをより詳細に検討するために、核内の全てのセントロメアの3次元的位置関係を定量的に解析することである。 【材料・方法】1)ポリアクリルアミドゲルに立体構造を保つように封じ込めた単離甲状腺腫瘍細胞に対して、FISH(fluorescence in situ hybridization)法を応用して全てのセントロメアを染色する、2)その染色像をレーザ顕微鏡を用いて共焦点画像データとする、3)イメージサイトメトリーの研究で確立してきた画像解析法を応用し、細胞核内のセントロメアの3次元的位置関係を数値化する、4)以上のためのコンピュータ・ソフトウエアを開発する、の4項目について検討した。 【結果】1)細胞の立体構造を保つためにはポリアクリルアミドゲルの濃度を高くする必要があるが、その濃度を高くするとFISH法でセントロメアが染色できないという相反する結果となった。そこで、良好な染色結果が得られる最も高い濃度(7%)を最適値とした。2)染色された蛍光像は、共焦点レーザ顕微鏡で十分に観察可能な蛍光強度であり、デジタル画像化が可能であった。3)核内セントロメアの3次元的位置関係の数値化には慣性モーメントと濃度共起行列を応用したが、共焦点像のX-Y軸方向とZ軸方向の解像度が異なるために完全な3次元的解析は困難であった。そこで、2次元的解析を重ねることによって疑似3次元的解析を行った。4)以上のためのコンピュータ・ソフトウェアはC言語を用いてDOS上で開発したが、メモリーの不足が最大の問題であり、UNIXなどのより大きいメモリーを活用できる開発環境が必要と考えられた。 【まとめ】本法は、FISH法によって細胞上に視覚化された分子生物学的現象を共焦点レーザ顕微鏡と画像解析を用いて3次元的にかつ定量的に解析する今までにないユニークな手法であり、今後も様々な応用が期待できると考えられた。
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Research Products
(1 results)