1995 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現の差を利用したヒト肝多段階発がんの初期に関連する遺伝子の検索
Project/Area Number |
07770143
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森下 由紀雄 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (20271562)
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Keywords | Differential display / Northern blothybridization / 遺伝子発現 / 遺伝子 / mRNA / cDNA / 肝 / 多段階発がん |
Research Abstract |
同一患者から樹立したヒト高分化肝細胞がんおよび慢性肝炎のT抗原導入培養細胞株(がん:tPH5T、肝炎:tPH5CH)からtotalRNAを抽出し、differential display法を行った。80組のprimerの組み合わせのうち、55組において、sequence gel上に平均約50のbandが出現し、全体で約2800のbandが検索対象となった。それらのうち、濃度差のあった19個のbandに相当するPCR産物をprobeとして、両者の細胞株由来のRNAを用い、northern blothybridizationを行った。その結果、19個中4個のcDNA(DD1〜4)において同様の発現量の差を認めた。これらのうち、がん細胞に強い発現を有するDD4について検索を進めた。 DD4はtPH5T、tPH5CHのほか、肝細胞がんの培養株であるHepG2、Alexander、Li21のいずれにも、northern blot hybridizationにて発現を認めた。組織では、肝細胞がん2例、大腸がん1例に発現がみられた。DD4のsequencingを行い、homology検索を行ったところ、以下の2個のヒトcDNAと高い相同性を示した。 1.seq3034Homo sapiens cDNA clone Hy18-Ch13-Charon40-cDNA-843′ 2.NIB794Homo sapiens cDNA 3′end similar to Alpha-tubulin 現在、ヒト胎児肝cDNA libraryを用いて、DD4のscreeningを行い、得られたcloneについてsequencingを行っている。また、in situ hybridization法を用いて、早期肝細胞がんや腺腫様過形成におけるDD4の発現についても検討中である。
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