1995 Fiscal Year Annual Research Report
線虫感染にともなう骨髄由来肥満細胞の動態とその分化増殖因子の研究
Project/Area Number |
07770186
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
手越 達也 京都府立医科大学, 医学部・医動物, 助手 (40254370)
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Keywords | 肥満細胞 / 骨髄 / サイトカイン / IL-3 / IL-4 / マウス |
Research Abstract |
肥満細胞のin vivo、in nitroにおける増殖因子としてIL-3、IL-4、IL-9、IL-10、NGF、c-kitリガンドなどが知られている。また線虫感染における肥満細胞増殖反応にはIL-3、IL-4 2つのサイトカインが強く関わっていると考えられている。 本研究はStrongyloides venezuelensis(Sv)感染マウスで肥満細胞の分化・増殖因子であるIL-3、IL-4の関与を骨髄、脾臓、腸管膜リンパ節、パイエル板において調べた。 BALB/cマウス8週令雌(1群3匹)にSvを2000匹皮下接種後0,3,7,11,14,28日と経時的に上記細胞を採取した。細胞は2ME,FBS添加MEMに懸濁し、マイトジェン刺激はPWMを用いた。72時間培養後の上清中のIL-3,IL-4産生をELISA法で定量した。 結果はPWM刺激培養上清中では腸管膜リンパ節細胞で感染7日目よりIL-3,IL-4の著しい産生が認められた。脾細胞においても中等度のIL-3,IL-4産生が見られたが、パイエル板細胞では全期間を通じ検出されなかった。骨髄細胞ではIL-3,IL-4の産生が認められるものの、腸管膜リンパ節、脾細胞に比べ低値を示した。 以上の結果とSv感染に伴う小腸粘膜型肥満細胞(MMC)数は感染11-14日目にピークに達することからMMCの動態に少なくとも腸管膜リンパ節細胞由来のIL-3,IL-4が強く関与する事が推察された。骨髄ではIL-3,IL-4の上昇が低い事から骨髄内肥満細胞前駆細胞の極端な増加はないと考えられた。
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