1995 Fiscal Year Annual Research Report
化学療法剤としての膜電位阻害物質の検索とその阻害機構の解析
Project/Area Number |
07770193
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大須賀 伸二 名古屋大学, 医学部, 助手 (00262907)
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Keywords | 抗菌剤 / 膜電位 / キレート化合物 |
Research Abstract |
耐性菌を生じさせないための化学療法剤として細胞質膜膜電位に作用し、膜電位を阻害して抗菌作用を示す薬剤の検索を行う目的であたったが、さらに細胞質膜だけでなく、グラム陰性菌の外膜に作用し、細菌の外膜及び内膜に作用し抗菌活性を示せば、さらに耐性菌の出現を阻止することが出来ると考え、第一に、グラム陰性菌の外膜に作用し、抗菌活性を示すキレート化合物及びその誘導体の作製、抗菌活性について検索した。 まず、EDTAと類似の構造を持ち、Mg2+とキレート結合すると考えられるキレート化合物とその誘導体13種類について、外膜の構造の異なるSalmonellaの変異株を用いて抗菌作用を検討したところ、そのうち2種類のキレート化合物、{9-Trans-anthryl-1,4,8,11-tetraazateradecane}{bis(2-pyridyl)methylamine}に抗菌活性が認められた。これらの化合物は、Salmonellaの外膜のLPSの側鎖の長さの違いにより、その抗菌活性が異なること、Mg2+によ抗菌活性が阻止されることから外膜に作用していることが確認された。 現在これらの化合物及びその誘導体について細菌細胞質膜の膜電位に対する作用について検討中である。
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