1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07770278
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若井 健志 名古屋大学, 医学部, 助手 (50270989)
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Keywords | 睡眠 / 死亡率 / 睡眠時間 / 睡眠習慣 / 睡眠薬 |
Research Abstract |
今年度は睡眠習慣と死亡率との関連について検討した。1982年〜1987年に、岐阜県S町成人病健診を受診した5322人(重複受診者は初回のデータを採用)を対象に1993年12月31日まで追跡した。健診時に自記式問診票により睡眠習慣、喫煙習慣、現在および過去の通院状況について調査し、睡眠時間を起床時刻と就寝時刻から算出した。睡眠時間および寝付き・目覚めについて、死亡との関連を比例ハザードモデルを用いて検討した。 48,684人年(平均観察期間9.1年)の間に、167人(男101人、女66人)の死亡が確認された。男では、睡眠時間7時間以上8時間未満を底とするU字型の死亡ハザード比の分布を認め、睡眠時間6時間(2.39(95%CI1.04-5.50))と10〜17時間(2.64(95%CI1.09-6.41))では有意な死亡ハザード比の上昇である。女では睡眠時間が長いほど死亡ハザード比が低くなる傾向であるが有意ではない。これらのモデルに喫煙歴・現病歴・既往歴を含めても同様な傾向を示す。 その他の睡眠習慣については、目覚めが悪い者は男女とも死亡ハザード比が高く、女では有意である(男1.57(95%CI0.77-3.20)、女2.34(95%CI1.13-4.85))。寝付きのよい者は、男では有意に死亡ハザード比が低い(0.59(95%CI0.36-0.95))が、女ではやや高い(1.21(95%CI0.67-2.06))。これらの傾向は喫煙歴・現病歴・既往歴で調整しても同様に認められる。睡眠薬を服用する者は、全く服用しない者に比べ男女とも死亡ハザード比が高い傾向である。 以上のように、睡眠時間が過短・過長な者ほど死亡リスクが上昇するという従来の研究報告と同様の結果が男性について得られた。また、目覚めの悪い女性について有意に死亡ハザード比が高く、精神面の影響等も考えられる。今後、より追跡期間を延長した上で、死因別など詳細な解析を試みるとともに、睡眠習慣と各種の検査成績との関連についても検討したい。
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