1995 Fiscal Year Annual Research Report
ジヒドロジオール脱水素酵素のヒト肝臓および赤血球における酵素多型の個人差の検討
Project/Area Number |
07770312
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
松浦 一也 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (00229410)
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Keywords | ジヒドロジオール脱水素酵素 / 個人差 / ヒト肝臓 / ヒト副腎 |
Research Abstract |
正常なヒト組織(肝・腎・副腎・肺・脳・小腸・胎盤)の105,000×g上清画分のジヒドロジオール脱水素酵素(DD)活性を分光学的方法で測定した結果、肝が最も高い比活性(5.04±5.14munit/mg protein,n=13)を示した。肝のDD活性には著しい個体差(1.0〜18.6munits/mg)が認められた。肝に次いで、副腎(2.97±munit/mg、n=3)と腎(1.6±munit/mg、n=3)が高いDD活性を示したが、他の組織ではDD活性は1.0munit/mg以下もしくは検出されなかった。 DDの基質であるナフタレンジヒドロジオールが脱水素されて生じる1,2-ナフトキノンに着目し、1,2-ナフトキノンをエチレンジアミンで蛍光誘導体化するDD活性の高感度測定法を確立した。酵素反応を96穴プレート中で行い、プレートリーダーを用いることにより5pmolのナフトキノンでも定量可能であり、本法は従来の分光学的方法に代わり得るDD活性の高感度かつ迅速な測定法であることを認めた。 3.ヒト肝には少なくとも4種のDD(DD1-DD4)の多型がある。Q-Sepharoseカラムを用いたFPLCによりヒト肝のDD多型を分離し、高感度測定法を用いて本酵素多型の個体差を検討した。本研究で検討した7例の正常な肝ではDD3(アルデヒド還元酵素)はすべての例において認められたが、DD1、DD2、DD4の発現量には大きな個体差が認められた。同様に副腎について検討した結果、副腎の主要なDDはアルドース還元酵素と考えられた。 赤血球中および白血球中のDD活性は、分光学的方法では検出することはできなかった。さらに、陰イオン交換クロマトグラフィーやアフィニティークロマトグラフィーでヘモグロビンを除去後に、高感度測定法でDD活性を測定したが、赤血球中のDD活性を検出することはできなかった。
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