1995 Fiscal Year Annual Research Report
SLE患者末梢リンパ球におけるアポトーシス関連分子の発現調節に関する研究
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07770345
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大迫 聡美 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80223783)
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Keywords | SLE / リンパ球 / アポトーシス / Fas抗原 / Bcl-2 / Bax / Bcl-2 / Bax比 / Propidium Iodide |
Research Abstract |
【目的】ヒトSLEの免疫異常において、自己反応性リンパ球がアポトーシスを回避して自己抗体産生に関与している可能性が示唆される。我々の検討では、活動期ヒトSLEリンパ球で、アポトーシスを誘導するFasと抑制するBcl-2の発現亢進が認められている。しかしBcl-2についてはそのhomologueが多く報告され、細胞がアポトーシスに至る過程において、それらが相互に作用し合ってアポトーシスを制御していると考えられている。そこでSLEリンパ球でのBcl-2/Bax比を検討した。 【方法】SLE30例、正常人15例を対象とした。リンパ球のアポトーシスの評価はPI染色により、hypodiploid DNAを測定し検討した。Bcl-2の発現はモノクローナル抗体を用い、リンパ球表面マーカーとともに2重染色しflow cytometryにて解析した。Bcl-2とBax αの発現は各々に対するポリクローナル抗体を用いてWestern blottingを行なった。 【結果】活動期SLEではCD3陽性細胞におけるBcl-2の発現が非活動期SLEと正常人に比べ有意に高かった。Western blottingによる検討ではSLEにおけるBaxの発現は正常より低く、活動期SLEでは正常、非活動期SLEと比較してBcl-2/Bax比が有意に高かった。このように活動期SLEリンパ球は活性化状態にもかかわらず、Bcl-2/Bax比の上昇により自己反応性リンパ球がアポトーシスを回避している可能性がある。
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