1995 Fiscal Year Annual Research Report
分子生学的アプローチによる伊東細胞の形質転換に及ぼすレチノイドの作用の研究
Project/Area Number |
07770388
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
清水 秀剛 順天堂大学, 医学部, 助手 (80235663)
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Keywords | 肝線維症 |
Research Abstract |
肝線維化の際に出現する伊東細胞の筋線維芽細胞への形質転換の機序と、Vitamin Aの投与による肝線維化の抑制を検討するため、CCl_4投与ラット肝線維化モデルを作製した。4〜5週齢のWister系雌ラットにCCl_4を0.1mg/100g(体重)量で週2回腹腔内投与し、その際に、30000IUのレチノールパルミテートを週1回腹腔内投与して、形態的な変化の観察を行った。しかしながら、30000IUのレチノールパルミテートを投与されたラットは投与後、6週後頃より活動性が低下し、皮膚・体毛の粗造、四肢の骨端部変形を来して8週頃に死亡する例がほとんどであった。14週までの投与スケジュール後に採血等のチェックを行う予定であったため、レチノールの血中濃度などについては不明であったが四肢骨端部の変形からVitamin A中毒を疑った。研究の継続が困難となったためレチノールの投与量を、10000IU、5000IU、2000IUに変更して肝線維症モデルに投与し、肝線維症の抑制が行えるかどうかを検討している。CCl_4投与肝線維化モデルからは伊東細胞を還流法によって取り出し、AGPC法によってそれぞれレチノイン酸レセプター(RAR)のmRNAおよびレセプター蛋白を含めたRNAと蛋白分画を抽出した。肝に特異的に多く含まれているとされているRAR-βおよび、RXR-α蛋白について、市販の特異的抗体を用いたwestern blot法により、線維化による伊東細胞内のレセプター蛋白の変化を検討している。今回の4〜5週齢のラットを用いた肝線維症モデルからの、14週後の還流法による伊東細胞の取り出しとRNAの抽出は従来使用されている老齢ラットからの還流にくらべて収量が不十分であったため、RNAの抽出に関しては満足な結果が得られなかった。
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