1995 Fiscal Year Annual Research Report
高頻度心房ペーシング時の房室伝導に対する房室結節後方インプット冷却の影響
Project/Area Number |
07770495
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川良 徳弘 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50234141)
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Keywords | 房室伝導 / 心房細動 / 房室結節後方インプット |
Research Abstract |
[研究目的]房室結節の後方インプットを障害することが、心房細動時の心室応答のコントロールに有効か否か、次の方法で実験的に検討した。[研究方法]雑種成犬3頭をネンブタール麻酔後、開胸し右房を露出した。大腿静脈から電極カテーテルを挿入して高位右房刺激とヒス束心電図記録用とし、房室伝導曲線と房室結節の不応期、および1:1房室伝導能を調べた。右房室間溝の脂肪を剥離して冠静脈洞開口部を探り、その三尖弁輪側(房室結節後方インプットを想定)に、外から、あらかじめ-21〜-16℃に冷却しておいた楔型の板状プローベ(温度刺激装置BTC-201)を30秒間おしあてた。高位右房で周期100msecの高頻度刺激をおなっておき、プローベをおしあてる前後それぞれ30秒間の心室応答数を数えた。本法を各犬で3回繰り返し、前後の心室応答数を比較した。さらに、各犬の大動脈後壁と右心房前壁の狭間の底部(房室結節前方インプットを想定)に、-22〜-17℃に冷却したプローベを押し込んだ。やはり、周期100msecで心房刺激しておき、プローベをおしこむ前後それぞれ30秒間の心室応答数を数えた。本法を各犬で3回繰り返し、前後の心室応答数を比較した。[結果]30秒後のプローベの温度は、-11〜-4℃に上昇していた。30秒間の心室応答数は、後方インプット冷却前116±6/min、111±5/min、109±5/minから、冷却後101±5/min、96±2/min、101±3/minへと、各犬で有意に減少した。減少率は、それぞれ13%、14%、7%(平均11%)であった。一方、前方インプット冷却前102±8/min、37±1/min、124±7/minから、冷却後105±6/min、43±3/min、128±7/minへと、各犬で有意な変化を示さなかった。今後、温度を一定の状態(0℃前後と37℃)にした時の不応期、1:1伝導能、AH時間、および心房高頻度刺激中の心房応答の変化を、また前方インプットの冷却が適切であるかを、再検討中である。
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