1995 Fiscal Year Annual Research Report
K^+チャネル遺伝子の細胞特異的発現調節の分子機構
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07770543
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
森 泰清 関西医科大学, 医学部, 助手 (40268371)
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Keywords | K^+チャネル / 遺伝子転写調節 |
Research Abstract |
(1)CATアッセイを用いた系によりラットKv1.5遺伝子の転写開始点から上流約200bpに存在する(GT)_<19>(CA)_<15>(GA)_<16>の二塩基繰り返しを含む184bpの配列(以下、KRE)が、Kv1.5遺伝子転写活性に及ぼす効果を検討した。結果、KREの存在はKv1.5発現細胞(GH3細胞)ではKV1.5遺伝子の転写活性に影響を及ぼさないが、非発現細胞(Cos-7及びCHO細胞)においては完全に転写活性を抑制し、陰性調節配列として作用していた。(2)KREをチミジンキナーゼ(TK)遺伝子のプロモーターにサブクローンし、異種の遺伝子での転写活性に対する影響(1)と同様にCATアッセイで評価した。KREはKv1.5非発現細胞ではTKプロモーターによる転写活性も抑制し、サイレンサーとして作用していた。(3)KREあるいはKREを含むKv1.5遺伝子5'領域の2.6kbは、ゲル電気泳動上それぞれのフラグメントの倍数状に移動度の異なるラダーを示したことより、in vitroでmultimeric formationを形成しうると考えられた。(4)KREを^<32>Pにより標識したプローブを用いたゲルシフト法により、GH3細胞の核蛋白内にKREに特異的に結合し移動するバンドが検出された。Cos-7、CHO細胞においても移動度の異なるバンドは得られたが、競合阻害実験により、これらはKREに特異的な結合ではなかった。 以上より、KREはKv1.5遺伝子の細胞特異的発現調節に重要であり、その作用機序にはDNA立体構造変化の関与と結合する特異的核蛋白の存在が示唆される。
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