Research Abstract |
川崎病急性期9例(年齢1.7歳,発症から6.9日,治療前),遠隔期16例(年齢2.0歳,発症から34.4日).正常コントロールとして5例(年齢2.2歳)を対象とした.T cell Receptor(TCR)Vβファミリーレセプター(Vβ)の発現量を25種類のVβの発現量の合計に対する割合で各群における変化を検討した. Vβ;(急性期9例,遠隔期ペアの8例,遠隔期のみの8例,コントロール5例;%)1;(5.6,4.9,6.6,6.7),2;(9.6,10.5,6.5,8.0),3;(11.3,8.0,12.1,7.7),4;(6.7,5.7,5.7,6,0),5.1;(3.8,4.8,5.2,4.9),5.2;(1.1,1.2,5.3,0.5),6;(13.6,8.1,7.4,8.5),7;(9.0,7.7,11.5,9.5),8;(7.0,6.3,5.1,5.6),9;(0.9,2.7,5.0,4.9),10;(0.3,0.9,1.1,1.8),11;(0.2,0.7,0.7,1.1),12;(0.8,2.6,1.7,3.1),13;(5.8,5.4,4.7,4.5),14;(6.6,5.4,5.1,3.8),15;(2.7,4.6,2.5,4.1),16;(3.6,4.1,2.1,3.1),17;(1.5,1.3,1.3,1.8),18;(4.8,4.1,2.3,2.9),19;(0.6,1.5,1.2,1.6),20;(1.3,1.2,1.5,2.4),21;(0.1,0.6,,0.4,0.7),22;(2.7,2.5,1.8,2.2),23;(2.9,2.8,1.2,2.0),24;(1.4,2.6,2.0,2.5). 急性期,遠隔期,正常との間には大きな変化を認めなかった.川崎病の原因としてスーパー抗原が関与するかどうかは現在もまだ結論がでていないが,今回の結果からは1種類のスーパー抗原が川崎病の原因である可能性は否定的であるものと考えられる.TCRVβレパートリーをこのように他種類にわたって検討した報告は川崎病の原因検索に限らず,他にも報告がなく,有意義な報告と思われ,日本小児循環器学会(大阪,平成8年7月)発表予定であり,また投稿も予定している.TCRVβレパートリーは個々の症例においては急性期と遠隔期に大きく変化する症例もあり,急性期に増加しているVβの増加パターンの解析を現在進めているところである.
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