1995 Fiscal Year Annual Research Report
表皮細胞のサイトカイン分泌と接着分子発現へのスフィンゴシンおよびセラミドの影響
Project/Area Number |
07770660
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
脇田 久史 浜松医科大学, 医学部, 助手 (70242766)
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Keywords | セラミド / スフィンゴシン / 表皮細胞 |
Research Abstract |
IFN-γによる皮膚表皮細胞ICAM-1,HLA-DRの発現誘導時にsphingolipidが何らかの修飾因子となっているかを検討した。培養細胞は正常表皮培養細胞を用いた。IFN-γによる皮膚表皮細胞ICAM-1,HLA-DRの発現の検索は,flow cytometryによった。細胞浮遊液をFITC-抗ICAM-1mAbとPE-抗HLA-DRmAbで反応させた。解析はConsort30で行い,logで示した蛍光強度の平均値を比較検討した。RT-PCRはGene Amp RNA PCR kitを用いた。sphingosine,ceramide単独では表皮細胞にICAM-1,HLA-DRを発現させなかった。また,IFN-γとの併用によって,IFN-γの効果を促進させなかった。次に,sphingolipidの合成阻害剤であるL-cycloserine,fumonisinB1の存在下で96時間培養して後,IFN-γで刺激したところ,IFN-γの効果を抑制した。この抑制効果はglycosphingolipidの合成阻害剤であるPDMPでは認められなかった。さらに,L-cycloserine,fumonisin B1で前処置した後,IFN-γとともに,ceramideとsphingosineを加えたところ,L-cycloserineによる抑制効果をceramide,sphingosineともに軽減したが,fumonisin B1によるそれはceramideによってのみ軽減された。RT-PCRを用いた検索でもL-cycloserineはIFN-γにより誘導されたICAM-1,HLA-DRのmRNAレベルを減少させ,さらにその効果はceramideとsphingosineにより抑制された。これらの結果から,IFN-γによる培養表皮細胞ICAM-1,HLA-DR発現へのceramideの関与が示唆された。
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