1995 Fiscal Year Annual Research Report
単球の高親和性IgEレセプター依存性サイトカインの産性
Project/Area Number |
07770679
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山本 憲嗣 長崎大学, 医学部, 助手 (90240093)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 単球 / 高親和性IgEレセプター / 低親和性IgEレセプター / プロスタグランデインE2 |
Research Abstract |
当初の計画に基づき、informed conscentを得た、アトピー性皮膚炎(AD)患者および健常人から、ヘパリン加採血を行い、比重遠心法により末梢血単核球を分離、96穴培養プレートに分注し、付着細胞を単球とした。種々の刺激を加え培養し、その上清中のProstaglandinE2(PGE2)をPGE2 Enzyme Immuno Asssay kit(Amersham社)にて測定した。AD単球を抗高親和性IgEレセプターモノクローナル抗体(aFc ε R I mAb)、抗低親和性IgEレセプターモノクローナル抗体(aFc ε R II mAb)で刺激したところ、未刺激の場合(100%)に比べ、aFc ε R I mAbでは、有意なPGE2遊離(208.4%±83.9)が認められたが、aFc ε R II mAbでは、有意差は認められなかった。また、IgE免疫複合体(IgE-aIg E)、IgG免疫複合体(IgG-aIgG)、ダニ免疫複合体(rDerfII-IC)、concanavalin A(ConA)の刺激でもそれぞれ、231.0%±104.6、235.1%±104.4、260.2%±100.9、162.1%±49.7と、有意なPGE2遊離を認めた。次に、酸処理によりIgEを取り除いた単球を用いて種々の刺激を加えてみたところ、aFc ε R I mAb、IgE-aIgE、ConAでは有意なPGE2遊離を認めた(135.3%±11.0、132.7%±8.1、184.4%±29.7)が、aFc ε R II mAb、IgEのみ、aIgEmAbのみの刺激では、いずれも有意なPGE2遊離は認めなかった。健常人から採取した単球では、IgE-aIgE、IgG-aIgG、rDerfII-IC、ConAの刺激で有意なPGE2遊離を認めた(146.6%±36.9、155.1%±47.8、173.0%±24.0、119.9%16.8)が、その程度はADに比べ有意に低かった。aFc ε R I mAb、aFc ε R II mAbでは、未刺激時と同程度のPGE2遊離しか観察されなかった。 以上の結果より単球のFc ε R IおよびIgE依存性のPGE2の遊離が明らかになった。現在までに単球のFc ε R I架橋により、Ca influxが上昇することが知られているが我々は、Fc ε R I依存性に単球より遊離されるメディエーターを明らかにした。
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