1995 Fiscal Year Annual Research Report
「シワ」のメカニズムに関する基礎的研究-cutis laxa及びin vivo, in vitro及び老化線維芽細胞におけるコラゲナーゼ遺伝子転写調節機構の解析-
Project/Area Number |
07770713
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
森 健一 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50248225)
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Keywords | cutis laxa / 線維芽細胞 / コラ-ゲナーゼ / 転写 / TPA-responsive element / プロモーター |
Research Abstract |
1.cutis laxa患者皮膚より初代培養を行った3株の真皮由来線維芽細胞と、性・年齢をマッチさせた正常人皮膚のそれとを比較したところ、cutis laxa由来ではコラ-ゲナーゼ、ストロムライシンmRNAレベルの3〜5倍の増加が認められた。また本症由来線維芽細胞3株を用いたnuclear run-off法でも、正常と比較して3〜5倍のコラ-ゲナーゼ遺伝子転写活性の増加が認められた。 2.コラ-ゲナーゼ遺伝子の転写活性の増加が著しい細胞株で、コラ-ゲナーゼ・プロモーター遺伝子(-500〜+55)にchloramphenicol acetyltransferase (CAT)遺伝子を結合した発現ベクター(pKCAT)を用いたtransient expression assayを行ったところ、約5倍の活性増加がみられた。さらに-244, -98塩基までプロモーターを欠失しても、依然5倍前後の活性増加が認められた。 3.本遺伝子の-73〜-64塩基に位置するTRE (TPA-responsive element)の1部をmutationして、CAT assayを行ったところCAT活性の増加がみられなくなった。gel retardation法により同量の各蛋白を用いて比較したところ、CCAAT結合活性は同レベルであったが、AP-1結合活性は本症由来線維芽細胞で増加していた。 以上より、cutis laxa由来線維芽細胞におけるコラ-ゲナーゼのmRNAレベルの上昇は、その転写レベルが増加するためであることが明らかとなった。またそれはTREを介しAP-1結合の活性化によりなされることが示唆された。
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